2話
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「処で広津さん。敵について新たな情報は」
「はい。末端の噂でしかありませんが“白麒麟”の異能は奇怪にして異端だとか。何でも戦った異能者は皆その異能のあまりの強大さに絶望し自ら命を絶つそうです」
自ら命を絶つ?
「建物倒壊の時に行方不明になった太宰君が何か残した情報は?」
「三度調べましたが新しい情報は何も」
「森さん。お兄ちゃんは新しい顕微鏡を買っています」
「顕微鏡?」
「はい」
「何か新しい手掛かりでも見つけたのか」
「ただし、その顕微鏡を使った様子は在りませんけれど」
「何?顕微鏡だと?」
「はい」
「茉白。そいつは何処にある!」
「お兄ちゃんの執務室に」
「あのくそったれ!」
あたしの腕を掴んだ中也君は
「案内しろ!」
お兄ちゃんの執務室に案内すると
「これですが」
そう言ったあたしにつかみ取った顕微鏡を壁に向かって投げつけたのだ
「な…何も壊さなくても」
「顕微鏡の中を見てみろ」
そう見せて来たのは
請われた顕微鏡の中にあった小さな物体
「中に隠されてた。発信器を兼ねた通信装置だ。この発信器と同じ周波数を追跡しろ」
「へ?」
「あの野郎は行方不明なんかじゃねぇ。敵の攻撃を読んで態と捕まったんだ」
「お兄ちゃんが?」
「あぁ。この発信器が示す先に太宰と“白麒麟”がいる」
「!?」
周波数を調べた場所を中也君に教えた途端、中也君は倉庫に向かったのだ
「中也君」
「茉白。太宰はしっかりと連れて帰ってやるよ。だから、そんな顔してんじゃねぇ」
「うん」
「アイツが何を考えてるか分かりたくもねぇし分かるつもりもねぇが、アイツが帰って来た時そんな顔をしてたらアイツになにを言われるか分からねぇぞ」
「あ…」
「これ、持ってろ」
そう言って渡されたのはインカムで
「何で」
「前線に出る連中は全員持たされてる。太宰のポンツクも同じものを持ってる」
お兄ちゃんが同じものを持ってる…
「分かった」
中也君が出て行ったその日の夜
「ハーイ中也。敵の射程に入ったから弾受けて死んでね」
「五月蠅え!テメェには言いたいことが山ほどあってな。ぶん殴ってやるから其処で大人しく待ってやがれ!!」
お兄ちゃんと中也君の声がインカム越しに聞こえたのだ。
それと同時にドンドンとデカい音も聞こえている
ズドンといった音に
「雷?」
「おや。茉白にもインカムを渡してくれていた人材がいるとはね」
「中也君だよ。渡してくれたのは」
「そうかい」
「無事…なんだよね?」
「勿論だとも」
そんな中間近で聞こえた爆発音に
「雷に打たれて死ねば面白かったのに」
「黙ってろ糞太宰。直接俺が来るように仕向けやがって」
え?どういう事?
「5分の遅刻…だ」
お兄ちゃん?
「おかげで3発余計に殴られた」
「ついでだ。俺が殴り殺してやろうか」
「君が殺すのは私じゃない」
パチンと何かを外す音が聞こえてきて
その後大きな音がしたから何かが有ったのだろうでもきっとインカムで聞こえないほどの何かなのだ
「無事に帰って来てね」
その思いと同時に、気を失っているらしい中也君を抱えて帰って来たお兄ちゃん
「お帰りなさい」
「あぁ」