2話
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「な…!?あの爺さん死んだのか!あり得ねぇ!」
だけど、お兄ちゃんの顔は本物で
「茉白を随分と可愛がってくれていた人だ。それも本当の自分の孫のように」
写真を見て泣きじゃくり始めたあたしに
「誰がやった?茉白がこんなになるのなんて今までにねぇ」
「……“白麒麟”数日前に横浜に突如現れた異能力者だ。高層をしているすべての組織を見境なく攻撃し抗争そのものを乗っ取ろうとしている悪魔みたいな奴だよ」
ソファーに座ったお兄ちゃんの隣に座らせてくれた中也君に
「奴の異能は未だに不明だが恐らく“白麒麟”は異能者を殺せば殺すほど強くなる」
「何だと?なら“白麒麟”にとってこの抗争は絶好の猟場で餌場って事か」
「どうするの?そんな人」
「やだなぁ中也感想が違うよ。幹部候補の我々にとっては“これで幹部の席が1つ空いた”…だろ?」
お兄ちゃんの顔を殴った中也君は
「いきなり殴るなんて酷いな。私だって人間なのだよ?」
「誰も信じねぇよ。殺されなかっただけ感謝しろ。爺さんが死んで茉白が悲しんでるってのにテメェ迄殺せねーからな」
「!?」
「“白麒麟”の野郎は俺が何とかする。テメェはそこで死ぬまで寝てろ」
其れだけ言い残すと部屋を出て行った中也君
「ふふ…酷いなぁ」
「お兄ちゃん…お爺ちゃんは」
「あぁ。大佐は何時までも大差で、茉白のお爺さんだよ。誰が何と言おうとね。茉白はここから出てはいけないよ」
「え?」
「私は少々出かける用事が有るからね」
出かける用事?
「まぁ、今暫くしたら茉白が安心できる男に合わせてあげるよ」
あたしが、安心できる人?
「分かった」
その日の夜だ。お兄ちゃんの執務室に顕微鏡が届いたのは
「お兄ちゃん、こんな物何に使うの?」
「昨日、中也にヒントは渡したからね。明日森さんに恐らく呼ばれるのは茉白も同じだ」
あたしも?
も?
「もって事はあたしの他に呼ばれている人がいるの?」
「決まって居るだろう?中也と広津さんだよ」
うわぁ…会いたくない…
特に、広津さんには
「広津さんに会いたくないのも話したくないのも分かるのだけれどね。これはきっと森さんからの決定事項だから仕方がない、諦めてくれるね」
「分かった」
「では、私は仕事に行って来るよ」
黒服の人たちを引き連れて出て行ってしまったお兄ちゃんにもう会えなくなるような気がしたのだ