1話
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「寒い?この季節にその格好で?」
「執務室に参上する以上失礼のない服でなくてはとかなり薄着をしたもので」
「薄着?」
男の人が疑問に思うのも無理はない。
モフモフの耳当てにマフラー。冬服用のコートにムートンブーツを吐いているのだ。蘭堂さんは
「診察結果によると蘭堂君は身体不調なわけでも神経系に問題が有るわけでもない。ただ単に寒いのが嫌いなだけなんだけれどね」
ふーん
「うぅ…暖かい地域で働きたい……首領、ポートマフィア火口付近支部とかありませんか…」
「ないねぇ。下がって良いよ」
「では、お言葉に甘えて。失礼します」
そう言って出て行った蘭堂さん
「茉白?」
「あの人キライ」
「おやおや。では、紅葉さんの所に行っておいで」
「そうだった!」
行って来ます。其れだけ伝えれば笑顔でお兄ちゃんと森さんが見届けてくれて
紅葉さんの所に行くと
「おや。此処まで走って来たのかえ?」
「行っちゃうと思って」
「それくらい待てぬ相手でもない故。茉白が着替えてから行くとしようかのう」
「着替えていい?」
「勿論じゃ」
着替えを済ませると
「これはこれは随分と可愛いのう」
「??」
かわいい?
なんて思っていると写真を撮り始めた紅葉さんは
「これはわっちの秘蔵にしようかのう」
「ひぞう?」
「そうじゃ。鴎外殿にも、太宰の奴にも秘密の写真。わっちだけの秘密じゃ」
「そっか!」
紅葉さんと一緒に歩いていると
「今日は、尾崎幹部とご一緒なのか」
「!!」
紅葉さんの足元に隠れると
「おやおや」
「何故すぐ人の後ろに隠れる必要がある」
「広津や。茉白もまだ10歳ゆえ、皆が恐怖なのじゃ。太宰の奴に一緒に連れて来られてみたものの、全く知らない場所じゃ警戒されても仕方がないじゃろ」
「だが」
「本当にこの娘は太宰君の妹なのかね」
「妹じゃ。鴎外殿もはっきりと認めておる。じゃが、太宰の奴は太宰でいろいろと鴎外殿に調査だなんだと仕事を入れられておる。それじゃからわっちの所に茉白を預けてもよいかと毎回訊きに来ておるぞ」
「お兄ちゃんが?」
「そうじゃ。アヤツはアヤツで見てない様でちゃんと見ておる。
勉強もそうじゃ。茉白が分からなくとも、鴎外殿の所で勉強をしていれば答え、自分の所に来てもちゃんと答えてくれる奴らじゃ
茉白はそう言った人間を好むのじゃろう」
ん゙ーーー
「では行くぞ」
「はーいっ」
紅葉さんの足元から出て一緒に歩きだすと、ちゃんとに手を握ってくれて
「はぐれそうじゃのう」
「はぐれないもん」
「そう言っておる奴ほどはぐれるものなのじゃ」
紅葉さんと一緒に向かった先は、ちょっと高そうなお茶屋さんで
「茉白にもそろそろ、お茶の所作やいろいろと教えてもよいじゃろう」
「しょさ?」
「そうじゃ。其れを覚えておくだけでポートマフィアにはおらずとも、大きくなった時に役に立つことも有る者じゃ」
「そうなんだ」