1話
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「それに言っただろう?楽に殺してくれるの“なら”願ったりだ」
「ふん。泣いて逃げ出すかと思ったが意外に根性のあるガキだ。ただの自殺願望か?」
「ガキは君も同じだ」
「確かに俺と戦う奴は皆最初にそういう。だがすぐに間違いだと気づく。ただのガキじゃねぇんだ。てめぇと違ってな
話して貰おうか。お前らが調べている“アラハバキ”についてな」
アラハバキ?
「ああ。アラハバキか。成程アラハバキね」
「知ってるんだな」
「いや。初耳」
お兄ちゃんの顔を蹴飛ばした男の人
「お兄ちゃんっ」
「いいぜ。記録に挑戦してみるか?最長は9回だ。それ以上蹴られて黙り続けたヤツは今んとこいねぇ」
「情報を話したら解放してくれるかい?」
「あぁ。俺は弱い奴には優しいからな」
優しい?怖いの間違いじゃないの?
あの時の森先生の雰囲気とも、お兄ちゃんとも紅葉様とも違う雰囲気の怖い人だ
「分かった。話そう。君はもう少し牛乳を飲んだ方がいい。背が低すぎる。それじゃ、直ぐに茉白に背を抜かされる」
「余計なお世話だこの糞野郎!俺はまだ15だ!これから伸びるんだよ!」
「ふふ…」
「お兄ちゃん?」
「では呪いをかけてあげよう。僕は同じ15歳でこれから伸びるが君は大して伸びない」
「腹立つ呪いかけんな!第一茉白って誰だ」
「其処に居る女の子だよ。僕の妹だ。5つ下のね」
「な!?」
「太宰さんと5歳も離れていたのか。道理で似ているわけがない」
似ているわけがない?あたしとお兄ちゃんが?
男の人に足でけられたお兄ちゃんは
「痛いじゃないか。でもおかげで思いだしたよ」
思いだした?
「羊…この横浜で一大勢力を築く未成年のみで構成された互助集団。略奪や抗争、人買いの襲撃に抵抗するために自衛組織をつくったのが発端だと訊いた」
あ…さっき聞いていたのも其れだった
「組織戦略は徹底した専守防衛。だけど羊に逆らう人間は今やほとんどいない。
羊の領土を侵した者はすさまじい反撃を食らうから。羊のリーダーである少年によって」
「そうか君か。君があの重力使い羊の王、
「俺は王じゃねぇ」
「!?」
王…じゃない?
「ただ手札を持ってるってだけだ。“強さ”って手札をな。その責任を果たしているだけだ」
お兄ちゃんの言っていた重力使い、手札
そっか、この人も“異能力”を持つ人なんだ
「そういや。お前やけに羊の内情に詳しいじゃねぇか」
「昔羊に入らないかと誘われたからね」
!?
「お兄ちゃん、誘われてたの?」
「あぁ。勿論断ったけど」
そうだよね。じゃなかったら今ここにいないだろうし
「そりゃいい判断だ。俺と同じ組織にてめぇが居たら5分で蹴り殺して」
「その前に僕が君を暗殺してる」
「てんめぇ俺の話にかぶせんじゃねぇぞ」
「君の話がのろまだからだよ」
「ぶっ殺す」
「君じゃ無理だね」
チッと舌打ちをした男の人は
「せいぜい強がってろ。5分で蹴り殺される運命は変わらねぇ
どっちにしろ、ガキから訊き出せる情報なんぞたかが知れてる」