10話
名前を入れて読んでね
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「処で」
「はい?」
「太宰の唐変木が何処に居るのか」
「知って居ますよ。あたしとお兄ちゃんの古巣ですから」
「そう言えば古巣だと、そう言っていたな」
「はい」
鏡花ちゃんの方を見るとよく分からないと言った顔をしていて
「鏡花ちゃん」
「なに?」
「きっといずれ分かるわ。あたし達兄妹と鏡花ちゃんの共通点がね」
「共通点?」
「えぇ」
「茉白」
「何ですか?」
「奴は帰って」
「帰って来るに決まって居るじゃないですか。お兄ちゃんですよ?今頃は仲良くじゃれあっているんじゃないですか」
「「じゃれ?」」
きっとこの2人に云ってもお兄ちゃんが誰とじゃれ合っているかなんて分からないんだろうけど
「まぁいい。お前も気を付けろよ。組合が何故お前を狙っているのかは不明だがな」
「それはあたしも同感ですけど、お兄ちゃんはそういう情報も手に入れて帰って来てくれるのかしら」
「どうだろうな」
小型船舶に再び乗り込んだ国木田さんと鏡花ちゃん
鏡花ちゃんの歩き方は
「矢張り、あの人の庇護下に置かれていたのね」
「え?」
紅葉さんと同じ歩き方。船舶への乗り方も紅葉さんと同じ乗り方だ
「何でもないわ。気を付けて。社長と乱歩さんたちにもあたしは何事もなく元気だとお伝えください」
「分かった」
小型船舶を見送った直後
「凄そうな人たちと知り合いなんだな。太宰」
「お兄やんの仕事関係の人ですよ」
「え?」
「でも、その割には深手を負った男が船に乗っていたようだがな」
「お兄ちゃんのいる探偵社はただの探偵社では無いですからね」
「どういう」
「ここまでヒントを与えたのですからお分かりになるのでは?」
「ん…っ」
「ここまで行っても分からないのなら其処までという事ですよ。アルコバレーノに其処に居る人たちも」
「んだと!?」
「其の儘の意味では無いですか」
なんて話していると極でっら君たちの後ろから見慣れた杖を突いている老人の姿
「相変わらず、変な男どもに巻き込まれるのぉ。それがお前の趣味か?茉白」
「だ…誰!?」
「何処から出てきやがった」
「そんな筈がないでしょう?あたしが此処にいる理由位もうすでにご存じでしょうに。先生」
「そうじゃの。あの小僧と福沢が此方に送ったというのは耳にしておったがの。じゃが、あの坊主は如何した」
「お兄ちゃんは今は古巣に居ますよ」
「ほう。戻ったか」
「真逆。組合にかけられている、敦君とあたしの懸賞金の出どころについて調べに行っている迄です。戻ってきますよ探偵社に」
「そうか」
中也君と首領の事だ。お兄ちゃんが潜った事だって見逃しているに決まって居る
芥川君が知って居た。という事は管轄は芥川君に任せているのだろうけれど