「あの人あってこそのあたしだったんですから」

「そうかい」

処置を終わらせてくれた首領は

「でもまぁ、私としてはいつでも戻って来てくれて構わないと思っているけれどね」

「真逆。もう、闇の世界に戻るつもりは無いですよ。あの人があたしに言ってくれた、光の下が似合うとそう言ってくれた。闇の中で動き回るあんな組織よりもよっぽど今の方が居心地がいい」

「おやおや。では1つだけ教えておこう」

1つだけ？

「組合が茉白ちゃんを狙っているのは知って居るだろう」

「えぇ。知って居ますよ」

「探偵社とポートマフィアがぶつかり合う時が来るかもしれないからね」

「そんな事は無いでしょう」

「どうしてそう言い切れるんだい？」

「お兄ちゃんが探偵社にいる限り。手は出さないでしょうから。中也君は別でしょうけど」

中也君の異能で飛んできてくれたらしい首領は帰りも中也君の異能で帰って行ってしまった

「あの男」
「見た事在るが、思いだせねぇ」

「ポートマフィア首領だな。彼奴」

「えぇ！？そんな人と太宰が何で普通に会話で来てんだよ」

「アルコバレーノの事も知ってたし、アイツらが独立暗殺部隊だとも知ってた」

「てめぇ、ナニモンだ」

「教えるつもりは無いですし、そして知りたければご自分たちで調べればいいだけの話では？」

「てめ…」

獄寺君の喧嘩っ早さは中也君に似てるのか

沢田君の方を見ると、首にぶら下げていた半分のリングが無くなっている

「例のリングは如何したわけ」

「あー…」

「ランボを助けたんだ。リングは剥奪」
「今は俺の手元にある」

そう言ったのは敵のボスで

「へぇ、そう」

「だが、てめぇも俺達サイドの守護者だ」

「守護者になんてなるつもりもないからお返ししたでしょう？
というよりも、なぜあたしに拘るのですか？伊太利の貴方方の中にだっていくらでも使える部下はいるでしょうに」

「今は居ねぇんだよ」

今は、いない…ねぇ

「そ？でもあたしはならないから」

夜が明けようとしている中、再びインカムがなって

「はい？」

「茉白」

国木田さん？何をそんなに焦って

「俺も今から向かうのだが、お前の異能で“海”に向かえるか？」

「どういう」

「小僧が連れ去られたのが密輸業者の船だ。最悪海外（とつくに）に行ってしまえば」

「手が出せなくなるから連れ戻せ。って事ですね」

「あぁ。社長からの指示でもある」

「敦君だけ？例の子は」

「恐らく一緒だ」

「了解」

インカムを切ると

「何処に行く」

「あたしはあたしの為すべき事がありますので」

「あﾞあぁ？」

そんなに大きな声を出さずとも