第1章 -昔の話-
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産屋敷家には、訓練用の稽古場がいくつもあった。その中のひとつが李亜専用の稽古場らしい。
いくら剣士の才能があるとはいえ、こんな小柄な女にそれほどの力があるとは到底思えない・・・ま、刀の振り方くらいなら教えられるか、なんて思って思いながら李亜のあとをついて稽古場に向かっていた。
「ここが私の稽古場です。」
「・・・・・え。」
「ちょっとボロボロになっちゃったんですけど、まだ使えます。」
稽古場というより、戦場の跡のようなズタボロの建物を前に絶句した。今すぐにでも柱が倒れてきそうじゃねえか。地面に亀裂も入ってやがる。
「昨日、鬼殺隊士の技を見様見真似で何度かやってみたんです。倒壊させるには、もう一撃くらいは必要ですかね・・・」
絶句。なんなのこの子。
「と、、りあえず、その見様見真似で習得した技をみせてくれないか。」
「わかりました、ちょっと下がっててくださいね」
腰に差していた刀を取り、深呼吸をする。
「水の呼吸、壱ノ型 水面斬り!」
ダダダダダダダー!
崩壊寸前の建物が、李亜の刀から出た水の渦に巻き込まれ・・・完全に崩壊。
「・・・これは一体・・」
「呼吸を使えば、人間でもこのような技を使うことができる。本当の壱ノ型はもっとすごい威力で、こんな建物、一撃で崩壊させられる。私は、呼吸法を見様見真似で習得しただけ。剣術は、到底鬼殺隊士達には及ばない。鬼と戦うためには、剣術が必要なの。」
なんだよ、鬼殺隊って。なんだ呼吸法って。
「俺に教えられることなんて、ありますかね」
「まずは、剣術を教えてほしいの。」
「わかりました。」
剣術なら、忍びの俺にとってはお手の物。この刀でいくつもの首を斬ってきた。
李亜に剣術を教える日々が続いた。鬼殺隊士から見て学んだという剣術は、なかなかのものだった。基礎体力は女にしては十分だったが、鬼退治をするには不十分だろう。
まずは基礎体力。というか俺に教えられることがそれくらいだった。呼吸法なんてわからない。
登山、走り込み、素振り・・・
「李亜様、そろそろ休憩しましょう」
「嫌よ、まだまだ。」
汗を流しながら、苦しい顔をしながら訓練をこなす李亜をみて、ますます惹かれていった。なんでこんないい家に生まれてわざわざこんな苦しい訓練をするのだろう。鬼退治なんて隊士にやらせておけばいいものを・・・
李亜は俺のことを、はじめの頃は宇髄様と呼んでいたが、様付けされるのは性に合わないから、といってやめさせた。本当は、名前で呼んでほしいだけだった。
「天元で、いいですよ、李亜様。」
李亜はちょっとムっとした。
「じゃあ、天元も敬語はやめて。天元は師匠で、私が弟子なんだから。様付けも禁止!」
「いや、それはちょっと・・・」
「いいから!兄様の前なら仕方ないけど、二人の時はいいでしょ。」
顔を近づけられ、なにも言えない。くそ、かわいい。近くでみると尚更だ。
「わかりま・・・。わかった、李亜。」
「よろしい!」
そういって笑う李亜を愛おしいと感じたのは・・・言うまでもない。
綺麗な容姿に全くそぐわない訓練に、李亜は弱音を一言も吐かず半年以上続けた。
訓練とはいえ毎日毎日一緒にいた俺を、李亜は、慕うようになった。
「天元、髪結ってあげる!」
「やめろって」
「いいからいいから」
そういって李亜に髪を結ばれたり、時には瞼や爪なんかに色を塗られたりして、剣術の師匠というより・・・遊び道具になってないか?
なんだっていい。ただただこんな日々がずっと続いていけばいい。そう思うばかりだった。
いくら剣士の才能があるとはいえ、こんな小柄な女にそれほどの力があるとは到底思えない・・・ま、刀の振り方くらいなら教えられるか、なんて思って思いながら李亜のあとをついて稽古場に向かっていた。
「ここが私の稽古場です。」
「・・・・・え。」
「ちょっとボロボロになっちゃったんですけど、まだ使えます。」
稽古場というより、戦場の跡のようなズタボロの建物を前に絶句した。今すぐにでも柱が倒れてきそうじゃねえか。地面に亀裂も入ってやがる。
「昨日、鬼殺隊士の技を見様見真似で何度かやってみたんです。倒壊させるには、もう一撃くらいは必要ですかね・・・」
絶句。なんなのこの子。
「と、、りあえず、その見様見真似で習得した技をみせてくれないか。」
「わかりました、ちょっと下がっててくださいね」
腰に差していた刀を取り、深呼吸をする。
「水の呼吸、壱ノ型 水面斬り!」
ダダダダダダダー!
崩壊寸前の建物が、李亜の刀から出た水の渦に巻き込まれ・・・完全に崩壊。
「・・・これは一体・・」
「呼吸を使えば、人間でもこのような技を使うことができる。本当の壱ノ型はもっとすごい威力で、こんな建物、一撃で崩壊させられる。私は、呼吸法を見様見真似で習得しただけ。剣術は、到底鬼殺隊士達には及ばない。鬼と戦うためには、剣術が必要なの。」
なんだよ、鬼殺隊って。なんだ呼吸法って。
「俺に教えられることなんて、ありますかね」
「まずは、剣術を教えてほしいの。」
「わかりました。」
剣術なら、忍びの俺にとってはお手の物。この刀でいくつもの首を斬ってきた。
李亜に剣術を教える日々が続いた。鬼殺隊士から見て学んだという剣術は、なかなかのものだった。基礎体力は女にしては十分だったが、鬼退治をするには不十分だろう。
まずは基礎体力。というか俺に教えられることがそれくらいだった。呼吸法なんてわからない。
登山、走り込み、素振り・・・
「李亜様、そろそろ休憩しましょう」
「嫌よ、まだまだ。」
汗を流しながら、苦しい顔をしながら訓練をこなす李亜をみて、ますます惹かれていった。なんでこんないい家に生まれてわざわざこんな苦しい訓練をするのだろう。鬼退治なんて隊士にやらせておけばいいものを・・・
李亜は俺のことを、はじめの頃は宇髄様と呼んでいたが、様付けされるのは性に合わないから、といってやめさせた。本当は、名前で呼んでほしいだけだった。
「天元で、いいですよ、李亜様。」
李亜はちょっとムっとした。
「じゃあ、天元も敬語はやめて。天元は師匠で、私が弟子なんだから。様付けも禁止!」
「いや、それはちょっと・・・」
「いいから!兄様の前なら仕方ないけど、二人の時はいいでしょ。」
顔を近づけられ、なにも言えない。くそ、かわいい。近くでみると尚更だ。
「わかりま・・・。わかった、李亜。」
「よろしい!」
そういって笑う李亜を愛おしいと感じたのは・・・言うまでもない。
綺麗な容姿に全くそぐわない訓練に、李亜は弱音を一言も吐かず半年以上続けた。
訓練とはいえ毎日毎日一緒にいた俺を、李亜は、慕うようになった。
「天元、髪結ってあげる!」
「やめろって」
「いいからいいから」
そういって李亜に髪を結ばれたり、時には瞼や爪なんかに色を塗られたりして、剣術の師匠というより・・・遊び道具になってないか?
なんだっていい。ただただこんな日々がずっと続いていけばいい。そう思うばかりだった。