第2章 -音柱-
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柱合会議が終わり、兄様と部屋を出る。
廊下を何歩か歩いたあと、慣れ親しんだ声に呼び止められる。
「李亜様。」
天元だ。振り返らずに立ち止まる。
「少し、お時間をいただきたい。お話したいことが、あります。」
突然のことに戸惑い、黙っていると
「李亜、ちゃんと話しておいで。」
そう兄様がいうから、
「・・・では、こちらへ。」
冷静に、淡々と、落ち着いて・・・・そう心に言い聞かせる。
------------------------------
客間に着く。私の部屋でもよかったが、なんだか決意が揺らいでしまいそうだった。
襖を閉め、二人きりになったとたん、天元が口を開く。
「元気か。」
「・・・元気、よ。とっても。」
「しばらく見ないうちに・・・・」
「見ないうちに、なに?」
「いや、なんでもねえ。いいたいことは山ほどあるが・・・・。まず、なぜ屋敷にあいつらを連れてきた。」
冷静を装う私。
「もともと、あの子たちは天元の妻になるはずだったでしょ。これから柱として闘っていく天元の力になるはずよ。」
「柱になったのは誰のためだと思ってる。」
言い返すことができない。
「屋敷の管理や家事をやってくれるあいつらには感謝しているが、俺は・・」
「あの子たちだって、あなたの元へ行くことを望んでいた。心から慕ってる。一緒にいたらわかるでしょ。」
「だからって、そう簡単に他の女、好きになれるかよ。」
「・・・・私は、この世界に未練を持ってちゃいけないの。私たちは、一緒には、いられない。」
「そんなん始めからわかっ・・・」
そう言いかけて、天元は言うのをやめた。私の目から涙が溢れていたからだ。涙をこらえきれない。泣かないと決めたのに。ただ、私をじっと見つめる天元。
「・・・っ・・うっ。っ・・・・。私は、鬼殺隊を、守りぬくの。命に、代えても。・・この世に、未練なんて、残したら・・・精一杯・・・戦えなっ」
言いかけたところで天元に抱きしめられる。・・・懐かしくて、あたたかい。いつだって私を包み込んでくれる優しくて、逞しい腕。
「・・・わかったから。一人で抱えるな。」
頭を優しく撫でられ、余計に涙がでる。先ほど怒った口調で私に散々言ってきたくせに・・・
「泣け泣け。派手にな。」
そういってクスっと笑う天元。
淡々と話をするはずだったのに。感情が溢れてしまった。もうこの涙はしばらく止まらない。
「・・・・・・、天元といると、、、心のどこかで・・・、生きたい、・・って思って・・っ。決心が、鈍って・・・っ!!!」
顎を掴まれ、強引に口付けをされる。
抵抗するが、天元の力に勝てるはずもない。
しばらく、唇と唇が重なったあと、天元が言う。
「・・・色々考えちまうと訳わかんなくなるけどよ、もう、離れらんねえんだよ、俺は。李亜を守るために柱になった。ずっと李亜の味方だ、それだけは、忘れるな。」
また、涙が溢れ出る。
天元の優しい腕に包まれて、
どうやら、私は泣き疲れて眠ってしまったらしい。
目が覚めると隣には、
蒔田がいた。もう、昼になっていた。最近ずっと眠れていなくて、こんなに寝たのは数年ぶりだろうか。
「天元様は、一晩中そばにいてくれたのですよ。朝になって、屋敷に戻っていかれました。」
「そう・・・」
---------------------------
兄様のところへ行くと
「李亜の泣き声を聞いたのは母上が亡くなって以来だと、蒔田がいっていたよ。」
「聞こえていたのですね。」
「聞かれたくなかったら、自室で話せばよかったのに。」
そういって笑う兄様。
私の父は、私が産まれる前に死んだ。母は、私が2才くらいのとき、兄の耀哉を当主として育て上げる重圧に耐えられず、自害。私は母のことをほとんど覚えていないが、悲しみに明け暮れずっと泣いたことは覚えている。
それからずっと、誰かに甘えたことなんて、なかった。
「李亜、心の拠り所くらい、あってもいいんじゃない?役目を果たすためにも、自分の精神を保つ必要はあるよ。」
「・・拠り所?」
「・・・じっくり考えるといいね。久しぶりに眠れて、よかったね。睡眠不足は、呼吸の精度にも悪影響だ。」
天元と一緒にいたほうが、私の精神が保たれる、兄様はそう言いたいのだろうか。
昨晩は、お風呂にも入っていない。
まずは、湯でも浴びようかと脱衣所で着物を脱ぐ。
ふと、脱衣所の鏡に映る自分の姿をみると
首筋には、赤い、花弁のような、内出血痕が一つ。
廊下を何歩か歩いたあと、慣れ親しんだ声に呼び止められる。
「李亜様。」
天元だ。振り返らずに立ち止まる。
「少し、お時間をいただきたい。お話したいことが、あります。」
突然のことに戸惑い、黙っていると
「李亜、ちゃんと話しておいで。」
そう兄様がいうから、
「・・・では、こちらへ。」
冷静に、淡々と、落ち着いて・・・・そう心に言い聞かせる。
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客間に着く。私の部屋でもよかったが、なんだか決意が揺らいでしまいそうだった。
襖を閉め、二人きりになったとたん、天元が口を開く。
「元気か。」
「・・・元気、よ。とっても。」
「しばらく見ないうちに・・・・」
「見ないうちに、なに?」
「いや、なんでもねえ。いいたいことは山ほどあるが・・・・。まず、なぜ屋敷にあいつらを連れてきた。」
冷静を装う私。
「もともと、あの子たちは天元の妻になるはずだったでしょ。これから柱として闘っていく天元の力になるはずよ。」
「柱になったのは誰のためだと思ってる。」
言い返すことができない。
「屋敷の管理や家事をやってくれるあいつらには感謝しているが、俺は・・」
「あの子たちだって、あなたの元へ行くことを望んでいた。心から慕ってる。一緒にいたらわかるでしょ。」
「だからって、そう簡単に他の女、好きになれるかよ。」
「・・・・私は、この世界に未練を持ってちゃいけないの。私たちは、一緒には、いられない。」
「そんなん始めからわかっ・・・」
そう言いかけて、天元は言うのをやめた。私の目から涙が溢れていたからだ。涙をこらえきれない。泣かないと決めたのに。ただ、私をじっと見つめる天元。
「・・・っ・・うっ。っ・・・・。私は、鬼殺隊を、守りぬくの。命に、代えても。・・この世に、未練なんて、残したら・・・精一杯・・・戦えなっ」
言いかけたところで天元に抱きしめられる。・・・懐かしくて、あたたかい。いつだって私を包み込んでくれる優しくて、逞しい腕。
「・・・わかったから。一人で抱えるな。」
頭を優しく撫でられ、余計に涙がでる。先ほど怒った口調で私に散々言ってきたくせに・・・
「泣け泣け。派手にな。」
そういってクスっと笑う天元。
淡々と話をするはずだったのに。感情が溢れてしまった。もうこの涙はしばらく止まらない。
「・・・・・・、天元といると、、、心のどこかで・・・、生きたい、・・って思って・・っ。決心が、鈍って・・・っ!!!」
顎を掴まれ、強引に口付けをされる。
抵抗するが、天元の力に勝てるはずもない。
しばらく、唇と唇が重なったあと、天元が言う。
「・・・色々考えちまうと訳わかんなくなるけどよ、もう、離れらんねえんだよ、俺は。李亜を守るために柱になった。ずっと李亜の味方だ、それだけは、忘れるな。」
また、涙が溢れ出る。
天元の優しい腕に包まれて、
どうやら、私は泣き疲れて眠ってしまったらしい。
目が覚めると隣には、
蒔田がいた。もう、昼になっていた。最近ずっと眠れていなくて、こんなに寝たのは数年ぶりだろうか。
「天元様は、一晩中そばにいてくれたのですよ。朝になって、屋敷に戻っていかれました。」
「そう・・・」
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兄様のところへ行くと
「李亜の泣き声を聞いたのは母上が亡くなって以来だと、蒔田がいっていたよ。」
「聞こえていたのですね。」
「聞かれたくなかったら、自室で話せばよかったのに。」
そういって笑う兄様。
私の父は、私が産まれる前に死んだ。母は、私が2才くらいのとき、兄の耀哉を当主として育て上げる重圧に耐えられず、自害。私は母のことをほとんど覚えていないが、悲しみに明け暮れずっと泣いたことは覚えている。
それからずっと、誰かに甘えたことなんて、なかった。
「李亜、心の拠り所くらい、あってもいいんじゃない?役目を果たすためにも、自分の精神を保つ必要はあるよ。」
「・・拠り所?」
「・・・じっくり考えるといいね。久しぶりに眠れて、よかったね。睡眠不足は、呼吸の精度にも悪影響だ。」
天元と一緒にいたほうが、私の精神が保たれる、兄様はそう言いたいのだろうか。
昨晩は、お風呂にも入っていない。
まずは、湯でも浴びようかと脱衣所で着物を脱ぐ。
ふと、脱衣所の鏡に映る自分の姿をみると
首筋には、赤い、花弁のような、内出血痕が一つ。
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