第2章 -音柱-
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約2年間の過酷な訓練、数々の任務を成し遂げ、宇髄天元は柱となった。
――――――雷の派生、音柱。
やっと、やっとだ。
2年で柱になるのは相当早いほうだと
育手の音波祢さんにもいわれた。
お館様に挨拶をするため、産屋敷邸へ出向く。
ここに来るのは久しぶりだ。今まで音波祢さんの屋敷に住み込みで訓練を受けながら任務をこなしてきた。お館様とは何度か手紙をもらったが、あれから李亜とは一切会えていない。
------------------------
「こちらでお待ちください。」
蒔田さんが言う。蒔田さんは、李亜やお館様を育てたいわば乳母(めのと)だ。俺がこの屋敷にいた頃も、相当世話になった。
「ありがとうございます。」
「一層、ご立派になられたようで。耀哉様を呼んできますので、もう少しお待ちくださいね。耀哉様は、数日前から体調が思わしくないそうで、長時間はお話できないかもしれませんが・・・」
「そうなのですね。」
病状は、悪化しているようだ。
蒔田さんと話していると、
「失礼するよ。久しぶり、天元。」
そういって微笑むお館様は、どこか寂しげだった。
「では、私はここで失礼します。」
蒔田さんが退出し、二人きりになる。
「お体の方は、大丈夫ですか、お館様。」
「・・・まあ。この血筋に生まれた男の運命だから。どうしようもない。今は、体調が良いときもあれば、時々、悪くなったり・・・ね。」
「そうなのですね・・・」
「では、始めようか。
まずは、宇髄天元、柱昇任、おめでとう。これまでの功績は素晴しいものだった。当主として、礼を言いたい。本当にありがとう。」
「こちらこそ、お館様には感謝しています。これから私は、柱として、何をすればいいですか。」
「まず、柱になった者には、一人ひとりに屋敷が与えられる。柱の任務のほかに、若手を育てる役割もある。今までとは比にならないほど過酷な任務も待ち受けている。特に、こんなに早く柱に昇格した天元は、柱の中でも別格になると期待している。」
「ありがたいお言葉です。」
「本来であれば、屋敷に複数の隠(かくし)を置いて、身の回りの世話、屋敷の管理などをしてもらうのだけど、現在は人手が足りていなくてね。」
「そのような者はとくに必要ありません。」
「いや、先ほどもいったように、天元には大いに期待をしている。任務に専念できるよう、身の周りの世話については李亜が、ある3人にお願いしたんだ。
「李亜様が・・?」
「雛鶴、まきを、須磨。覚えているかな。」
しばらく俺は考えた。聞いたことのある名前だが・・・”まきを”は俺の親戚の・・・・あ!!
「思い出しました。あのとき、東京府へ連れてきた、くノ一の・・・。なぜその3人が・・」
「そう、天元と別れた後、あの子たち襲われそうになってたらしくて、天元の嫁候補だったとは知らずに、李亜が助けたんだ。そのあとも結局、李亜は3人を放っておけなくて、この2年間一緒にこの屋敷で暮らしていたんだ。李亜が、基本的な家事とかを教えていたんだよ。」
「・・・・はあ。」
「あの子たちも、天元に恩を返したい、お役に立ちたいと。ちょうど人手も足りないし・・・日本では正式に一夫多妻は認められなくなってしまったけれど、婚姻関係にはなれなくても一応、嫁として、あの子たちと暮らすのはどうかな。」
「しかし、嫁など、必要ありません。」
「これは李亜からの、命令だ。ごめんね。厄介な妹で。とにかく、天元にはこれから屋敷に行ってもらう。屋敷には、もうその3人がいるから、仲良くするといい。」
「っ!待ってください、お館様。」
「ごめんね、天元。あと3か月もすれば柱合会議がある。柱合会議には、李亜も参加するから、そのときにでも李亜と話をするといい。僕は今日、李亜に頼まれて話をしているだけだ。」
「李亜様は今、どこに・・・?」
「修業にでているよ、天元から逃げるように朝早くね。今は自分の気持ちに蓋をするしかできないんだと思うよ、李亜は。料理とかは上手なのにね、ほんとに・・・不器用だ。」
そういって去っていくお館様。
しかたなく、俺は3人が待っているという屋敷に向かった・・・
――――――雷の派生、音柱。
やっと、やっとだ。
2年で柱になるのは相当早いほうだと
育手の音波祢さんにもいわれた。
お館様に挨拶をするため、産屋敷邸へ出向く。
ここに来るのは久しぶりだ。今まで音波祢さんの屋敷に住み込みで訓練を受けながら任務をこなしてきた。お館様とは何度か手紙をもらったが、あれから李亜とは一切会えていない。
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「こちらでお待ちください。」
蒔田さんが言う。蒔田さんは、李亜やお館様を育てたいわば乳母(めのと)だ。俺がこの屋敷にいた頃も、相当世話になった。
「ありがとうございます。」
「一層、ご立派になられたようで。耀哉様を呼んできますので、もう少しお待ちくださいね。耀哉様は、数日前から体調が思わしくないそうで、長時間はお話できないかもしれませんが・・・」
「そうなのですね。」
病状は、悪化しているようだ。
蒔田さんと話していると、
「失礼するよ。久しぶり、天元。」
そういって微笑むお館様は、どこか寂しげだった。
「では、私はここで失礼します。」
蒔田さんが退出し、二人きりになる。
「お体の方は、大丈夫ですか、お館様。」
「・・・まあ。この血筋に生まれた男の運命だから。どうしようもない。今は、体調が良いときもあれば、時々、悪くなったり・・・ね。」
「そうなのですね・・・」
「では、始めようか。
まずは、宇髄天元、柱昇任、おめでとう。これまでの功績は素晴しいものだった。当主として、礼を言いたい。本当にありがとう。」
「こちらこそ、お館様には感謝しています。これから私は、柱として、何をすればいいですか。」
「まず、柱になった者には、一人ひとりに屋敷が与えられる。柱の任務のほかに、若手を育てる役割もある。今までとは比にならないほど過酷な任務も待ち受けている。特に、こんなに早く柱に昇格した天元は、柱の中でも別格になると期待している。」
「ありがたいお言葉です。」
「本来であれば、屋敷に複数の隠(かくし)を置いて、身の回りの世話、屋敷の管理などをしてもらうのだけど、現在は人手が足りていなくてね。」
「そのような者はとくに必要ありません。」
「いや、先ほどもいったように、天元には大いに期待をしている。任務に専念できるよう、身の周りの世話については李亜が、ある3人にお願いしたんだ。
「李亜様が・・?」
「雛鶴、まきを、須磨。覚えているかな。」
しばらく俺は考えた。聞いたことのある名前だが・・・”まきを”は俺の親戚の・・・・あ!!
「思い出しました。あのとき、東京府へ連れてきた、くノ一の・・・。なぜその3人が・・」
「そう、天元と別れた後、あの子たち襲われそうになってたらしくて、天元の嫁候補だったとは知らずに、李亜が助けたんだ。そのあとも結局、李亜は3人を放っておけなくて、この2年間一緒にこの屋敷で暮らしていたんだ。李亜が、基本的な家事とかを教えていたんだよ。」
「・・・・はあ。」
「あの子たちも、天元に恩を返したい、お役に立ちたいと。ちょうど人手も足りないし・・・日本では正式に一夫多妻は認められなくなってしまったけれど、婚姻関係にはなれなくても一応、嫁として、あの子たちと暮らすのはどうかな。」
「しかし、嫁など、必要ありません。」
「これは李亜からの、命令だ。ごめんね。厄介な妹で。とにかく、天元にはこれから屋敷に行ってもらう。屋敷には、もうその3人がいるから、仲良くするといい。」
「っ!待ってください、お館様。」
「ごめんね、天元。あと3か月もすれば柱合会議がある。柱合会議には、李亜も参加するから、そのときにでも李亜と話をするといい。僕は今日、李亜に頼まれて話をしているだけだ。」
「李亜様は今、どこに・・・?」
「修業にでているよ、天元から逃げるように朝早くね。今は自分の気持ちに蓋をするしかできないんだと思うよ、李亜は。料理とかは上手なのにね、ほんとに・・・不器用だ。」
そういって去っていくお館様。
しかたなく、俺は3人が待っているという屋敷に向かった・・・