第1章 -昔の話-
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
汽車に乗って、やっと東京駅に到着した。
「すごーい!ここが都会?!立派な建物がいっぱーい!すごいすごい!」
須磨が騒ぐ。
「人がたくさんね!!」
いつもは物静かな雛鶴まで、初めて来た都会の風景に興奮を隠せない。
「天元様、ここまで連れてきていただいて、ありがとうございます。」
3人で軽く会釈をして天元様にお礼を言う。
「俺はここから乗り継いで、北へ向かう。ここは府の中でも中心部だからな。仕事も見つかるだろ。元気でやれよ。」
「本当にありがとうございました。これから私たち3人で頑張ります!」
「ああ、じゃあな!」
そういって天元様は、人混みの方へと去っていった。
「・・・これからどうする?」
須磨が口を開く。
「とりあえず、今日の宿を探しましょう。天元様から頂いたお金もあるし。」
「天元様に会えて本当によかった・・・またいつか会えるわよね。恩返しをしなくちゃ。」
雛鶴はなんだか寂しそうな顔をしてつぶやく。
「そうね!よし!まずは宿探しよ!!」
私たちは、駅を出たあと、元気に歩いて行った。
-------産屋敷邸にて
お館様に、これまでの事情を隅から隅まで話した。嫁になるはずだった3人を東京へ連れてきたことまで、話すつもりはなかったがお館様の穏やかな表情、全てを包み込んでくれるかのような優しい空気に触れ、全てを打ち明け、鬼殺隊入隊を正式に申し込んだ。
自分の生まれ持った体格・筋力・すべてを生かして、人々を守る役目を果たしたい。お館様、そしてあなたの妹君の力に、少しでもなりたい。守り抜きたいと。
「つらいね、天元。君の選んだ道は。
幼少期に植え込まれた価値観を否定しながら、戦いの場に身を置き続けるのは苦しいことだね。様々な矛盾や葛藤を抱えながら君は、それでも前を向き戦ってくれるんだね。人の命を守るために。・・・李亜を守るために。ありがとう。」
「・・・こちらこそ、お館様、李亜様には本当に感謝しています。」
「李亜は今、元水柱の番匠谷さんの所に通っていて夜にならないと戻らないんだ。会っていく?それとも、音波祢さんのところへ出発する?」
音波祢様とは、俺の育手となってくれる元柱の爺さんだ。俺はこれから音波祢さんの元へ修業にでる。本当は李亜の顔を一目みてから向かいたかったが、鬼殺隊最高位の柱になるまで、李亜には会わないほうが、死ぬ気で自分を追いつめられる、限界まで鍛え上げることができる、そう思った。
「・・・先を急ぐので、出発します。李亜によろしくお伝えください。」
「わかったよ。ところで、さっき言ってた妻になる予定だった女の子達、置いてきちゃって、本当に大丈夫なの?」
「忍の訓練を受けてきたくノ一です。おそらくは大丈夫でしょう。」
「そっか、じゃあ、気を付けて。また会える日を楽しみにしているよ。」
---------------
大変だ。
「やっ!やめてください!私たち、ただ宿を探していただけなんです!」
須磨が泣き叫ぶ。
「泊めてやるっていってんだろ、金はいらねえからよぉ」
天元様と別れたあと、宿を探そうと思ったが須磨が少し観光したいといったので、歩き回っていたらすっかり夜になってしまった。
焦って宿探しをしていると、柄の悪い男たちが私たちに近づいてきた。
私たちは必死に抵抗するが、なにぶん男たちは大柄で力が強く、数名で取り囲んでいる。腰に護身用の短刀を隠しているが、この隙のない状況では取り出せない。
周りの大人は、怖くて見て見ぬふりをしているようだ。助けて、天元様...
「ちょっと!」
背後から女性の声が聞こえた。振り返ったそのとき、
「う"っ......!」
男が倒れる。
「う"ぅっ......!」
続けてもう一人。
その女性は、男2人をいとも簡単に気絶させ、それを見た他の男たちは怯んで逃げていったのだった。
なんて綺麗な人だろう。派手な着物と装飾品、端正で上品な顔立ち。その見た目からは到底想像できないほどの強さ。同じ女とはいえ、見惚れてしまった。
「あ、ありがとうございます!」
雛鶴が礼をいう。
「あっ、あなたは、、どちらさまですか!?」
須磨が聞く。
「産屋敷李亜。宿がないなら、うちにおいで」
私たちは3人同時に顔を見合せた。
「すごーい!ここが都会?!立派な建物がいっぱーい!すごいすごい!」
須磨が騒ぐ。
「人がたくさんね!!」
いつもは物静かな雛鶴まで、初めて来た都会の風景に興奮を隠せない。
「天元様、ここまで連れてきていただいて、ありがとうございます。」
3人で軽く会釈をして天元様にお礼を言う。
「俺はここから乗り継いで、北へ向かう。ここは府の中でも中心部だからな。仕事も見つかるだろ。元気でやれよ。」
「本当にありがとうございました。これから私たち3人で頑張ります!」
「ああ、じゃあな!」
そういって天元様は、人混みの方へと去っていった。
「・・・これからどうする?」
須磨が口を開く。
「とりあえず、今日の宿を探しましょう。天元様から頂いたお金もあるし。」
「天元様に会えて本当によかった・・・またいつか会えるわよね。恩返しをしなくちゃ。」
雛鶴はなんだか寂しそうな顔をしてつぶやく。
「そうね!よし!まずは宿探しよ!!」
私たちは、駅を出たあと、元気に歩いて行った。
-------産屋敷邸にて
お館様に、これまでの事情を隅から隅まで話した。嫁になるはずだった3人を東京へ連れてきたことまで、話すつもりはなかったがお館様の穏やかな表情、全てを包み込んでくれるかのような優しい空気に触れ、全てを打ち明け、鬼殺隊入隊を正式に申し込んだ。
自分の生まれ持った体格・筋力・すべてを生かして、人々を守る役目を果たしたい。お館様、そしてあなたの妹君の力に、少しでもなりたい。守り抜きたいと。
「つらいね、天元。君の選んだ道は。
幼少期に植え込まれた価値観を否定しながら、戦いの場に身を置き続けるのは苦しいことだね。様々な矛盾や葛藤を抱えながら君は、それでも前を向き戦ってくれるんだね。人の命を守るために。・・・李亜を守るために。ありがとう。」
「・・・こちらこそ、お館様、李亜様には本当に感謝しています。」
「李亜は今、元水柱の番匠谷さんの所に通っていて夜にならないと戻らないんだ。会っていく?それとも、音波祢さんのところへ出発する?」
音波祢様とは、俺の育手となってくれる元柱の爺さんだ。俺はこれから音波祢さんの元へ修業にでる。本当は李亜の顔を一目みてから向かいたかったが、鬼殺隊最高位の柱になるまで、李亜には会わないほうが、死ぬ気で自分を追いつめられる、限界まで鍛え上げることができる、そう思った。
「・・・先を急ぐので、出発します。李亜によろしくお伝えください。」
「わかったよ。ところで、さっき言ってた妻になる予定だった女の子達、置いてきちゃって、本当に大丈夫なの?」
「忍の訓練を受けてきたくノ一です。おそらくは大丈夫でしょう。」
「そっか、じゃあ、気を付けて。また会える日を楽しみにしているよ。」
---------------
大変だ。
「やっ!やめてください!私たち、ただ宿を探していただけなんです!」
須磨が泣き叫ぶ。
「泊めてやるっていってんだろ、金はいらねえからよぉ」
天元様と別れたあと、宿を探そうと思ったが須磨が少し観光したいといったので、歩き回っていたらすっかり夜になってしまった。
焦って宿探しをしていると、柄の悪い男たちが私たちに近づいてきた。
私たちは必死に抵抗するが、なにぶん男たちは大柄で力が強く、数名で取り囲んでいる。腰に護身用の短刀を隠しているが、この隙のない状況では取り出せない。
周りの大人は、怖くて見て見ぬふりをしているようだ。助けて、天元様...
「ちょっと!」
背後から女性の声が聞こえた。振り返ったそのとき、
「う"っ......!」
男が倒れる。
「う"ぅっ......!」
続けてもう一人。
その女性は、男2人をいとも簡単に気絶させ、それを見た他の男たちは怯んで逃げていったのだった。
なんて綺麗な人だろう。派手な着物と装飾品、端正で上品な顔立ち。その見た目からは到底想像できないほどの強さ。同じ女とはいえ、見惚れてしまった。
「あ、ありがとうございます!」
雛鶴が礼をいう。
「あっ、あなたは、、どちらさまですか!?」
須磨が聞く。
「産屋敷李亜。宿がないなら、うちにおいで」
私たちは3人同時に顔を見合せた。