第1章 -昔の話-
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「では、行って参ります、お館様。」
兄様に頭を下げる天元。
「気を付けてね。健闘を祈るよ、天元。」
天元は、2年間の私の護衛(主に剣術指導だったのだが)の任務を終え、里へ戻る。
鬼殺隊入隊の意思は固く、父親に話をつけてくるらしい。とはいっても天元の父親は非常に厳しく冷酷な人だそうで、決して許してはもらえないようだ。しかし、残してきた弟達の様子が心配だということもあり、一旦宇髄家へ戻ることを決めた。郷へ戻り、どんな結果が待ち構えていようと、兄様の所へ正式な鬼殺入隊の申出をするつもりらしい。兄様もそれを了承した。私の護衛任務とはいえ、2年間もの間、産屋敷家で過ごしてきた天元を兄様は信頼していた。歳が同じこともあってか、二人でなにやら楽しそうに話をしていることもあった。兄様が誰かと楽しそうに語り合う姿を見たことがなかったから、孤独な兄様にとって天元は心を通わせた友人のような、そんな存在でもあったのではないだろうか。
私はこれから、元柱の番匠谷 宗八様のところへ通い、呼吸法、戦術を学びにいってくる。産屋敷家を守っていく人間として。
ずっと会えないわけではないと思うが、幾何かの別れになるだろう。天元にも郷から戻れば、鬼殺隊員になるための試練が待ち構えている。
「天元、気を付けてね。」
「李亜様も、お元気で。」
兄様と一緒に、天元の姿が見えなくなるまで見送った。
この日が来るまで、私と天元は何度も何度も体を重ねた。一緒にいられる残り少ない時を惜しむように。私の体には、天元に付けられた赤い跡がいくつも点在している。互いを求めあい、別れを惜しんだ分、涙は見せずに、見送ることができた。
―――行ってらっしゃい。
兄様に頭を下げる天元。
「気を付けてね。健闘を祈るよ、天元。」
天元は、2年間の私の護衛(主に剣術指導だったのだが)の任務を終え、里へ戻る。
鬼殺隊入隊の意思は固く、父親に話をつけてくるらしい。とはいっても天元の父親は非常に厳しく冷酷な人だそうで、決して許してはもらえないようだ。しかし、残してきた弟達の様子が心配だということもあり、一旦宇髄家へ戻ることを決めた。郷へ戻り、どんな結果が待ち構えていようと、兄様の所へ正式な鬼殺入隊の申出をするつもりらしい。兄様もそれを了承した。私の護衛任務とはいえ、2年間もの間、産屋敷家で過ごしてきた天元を兄様は信頼していた。歳が同じこともあってか、二人でなにやら楽しそうに話をしていることもあった。兄様が誰かと楽しそうに語り合う姿を見たことがなかったから、孤独な兄様にとって天元は心を通わせた友人のような、そんな存在でもあったのではないだろうか。
私はこれから、元柱の番匠谷 宗八様のところへ通い、呼吸法、戦術を学びにいってくる。産屋敷家を守っていく人間として。
ずっと会えないわけではないと思うが、幾何かの別れになるだろう。天元にも郷から戻れば、鬼殺隊員になるための試練が待ち構えている。
「天元、気を付けてね。」
「李亜様も、お元気で。」
兄様と一緒に、天元の姿が見えなくなるまで見送った。
この日が来るまで、私と天元は何度も何度も体を重ねた。一緒にいられる残り少ない時を惜しむように。私の体には、天元に付けられた赤い跡がいくつも点在している。互いを求めあい、別れを惜しんだ分、涙は見せずに、見送ることができた。
―――行ってらっしゃい。