知らないけど分かってる。
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知らないけど分かってる。7
* * *
今、目をそらしたな。
イッカクとベポに軽口を叩かれたが、目の前に〇〇がいるので、俺の機嫌もそこまで悪くない。ただ、こうもあからさまに目が合わないと無性に虐めてやりたくなるが、今の〇〇相手に越えてはいけない一線だと分かってはいるので、グッと酒を飲み干すことで堪えた。
〇〇の様子を見る限り、緊張はしているようだが、クルーとの交流を嫌がっている素振りはなく、まずは第一関門クリアかと安堵する。惜しむらくは、既にベポやイッカクに懐いているように、もう少し俺にも心を開いてくれても良いのだが…
〇〇を挟んで、ベポとイッカクが他のクルーを巻き込みながら過去の冒険譚を熱弁している。〇〇は多少周囲の熱量に気圧されながらも、面白そうに聞いていた。
イッカクとベポが盛り上がる。
「でね、キャプテンがすごいのなんのって」
「そうそう、斬っては投げ、投げては斬っての八面六臂の大活躍!」
斬りはしたが、投げてねぇ…。
そしていつの間にか戻ってきているシャチとペンギンが続けた。
「『俺のクルーに手を出すな』って言ってくれちゃって、もう俺達は…俺達は…キャプテーンッッ」
最後の台詞は絶対に言ってねぇ。
感極まって抱きついてくるシャチとペンギンを鬼哭の鞘を使って押しやる。
距離を詰めるな、暑苦しい。
「天竜人の奴隷となっていた俺を解放してくれたり、敵海賊に強いたげられ傷ついた町の住民達を、無償で看たりな。キャプテンは見た目と違って情が深い男だよ。」
ここで静観していたはずのジャンバールが続ける。〇〇は一瞬ジャンバールの過去に顔を曇らせたが、それ以上は何も言わず静かに話を聞いている。
クルー達は何を謀っているのか分からないが、やけに今夜は俺を持ち上げてくる。〇〇の前で他人が話す自分の武勇伝を聞けるほど、面の皮は厚くない...この状況に辟易として素面でやってられるかと酒ばかり進む。
まだまだ酔っぱらう量ではないが、腹に何かを入れないと胃にも負担がかかる。手近なものを食べようと思ったが、既に斜め向かいのベポがほとんどの皿を綺麗にしている。
「おい、〇〇。何でも良いから適当に食い物をこっちに回してくれ。」
イッカクとベポは海王類と戦った話が最高潮を迎えているようで、こちらの声は全然届きそうもない。不本意だが、今日の主賓で依然として俺への警戒心を怠らない〇〇に頼んだ。
* * *
今、目をそらしたな。
イッカクとベポに軽口を叩かれたが、目の前に〇〇がいるので、俺の機嫌もそこまで悪くない。ただ、こうもあからさまに目が合わないと無性に虐めてやりたくなるが、今の〇〇相手に越えてはいけない一線だと分かってはいるので、グッと酒を飲み干すことで堪えた。
〇〇の様子を見る限り、緊張はしているようだが、クルーとの交流を嫌がっている素振りはなく、まずは第一関門クリアかと安堵する。惜しむらくは、既にベポやイッカクに懐いているように、もう少し俺にも心を開いてくれても良いのだが…
〇〇を挟んで、ベポとイッカクが他のクルーを巻き込みながら過去の冒険譚を熱弁している。〇〇は多少周囲の熱量に気圧されながらも、面白そうに聞いていた。
イッカクとベポが盛り上がる。
「でね、キャプテンがすごいのなんのって」
「そうそう、斬っては投げ、投げては斬っての八面六臂の大活躍!」
斬りはしたが、投げてねぇ…。
そしていつの間にか戻ってきているシャチとペンギンが続けた。
「『俺のクルーに手を出すな』って言ってくれちゃって、もう俺達は…俺達は…キャプテーンッッ」
最後の台詞は絶対に言ってねぇ。
感極まって抱きついてくるシャチとペンギンを鬼哭の鞘を使って押しやる。
距離を詰めるな、暑苦しい。
「天竜人の奴隷となっていた俺を解放してくれたり、敵海賊に強いたげられ傷ついた町の住民達を、無償で看たりな。キャプテンは見た目と違って情が深い男だよ。」
ここで静観していたはずのジャンバールが続ける。〇〇は一瞬ジャンバールの過去に顔を曇らせたが、それ以上は何も言わず静かに話を聞いている。
クルー達は何を謀っているのか分からないが、やけに今夜は俺を持ち上げてくる。〇〇の前で他人が話す自分の武勇伝を聞けるほど、面の皮は厚くない...この状況に辟易として素面でやってられるかと酒ばかり進む。
まだまだ酔っぱらう量ではないが、腹に何かを入れないと胃にも負担がかかる。手近なものを食べようと思ったが、既に斜め向かいのベポがほとんどの皿を綺麗にしている。
「おい、〇〇。何でも良いから適当に食い物をこっちに回してくれ。」
イッカクとベポは海王類と戦った話が最高潮を迎えているようで、こちらの声は全然届きそうもない。不本意だが、今日の主賓で依然として俺への警戒心を怠らない〇〇に頼んだ。