高飛び
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「最近、恋人がジョウト地方に頻繁に赴いているようなのです」
お昼休憩の執務室。
ノボリに相談があるって言われて買ってきた駅弁をそこで食べる中、口火を切ったのが冒頭の一言。
ぼくはまず、最初に思った事をそのまま口にする。
「ノボリ、恋人いたの?」
「います」
「シャンデラの事じゃなくて?」
「わたくしの話を聞いていましたか?人間の恋人です。ポケモンではなくお付き合いしている人です。いくらシャンデラが賢いとはいえ、自力で他の地方に赴けるはずがないでしょう」
それもそうだ。びっくりしすぎて変なこと聞いちゃった。
「うんうん、そっか。それで?」
「わたくしにはその事を一切知らせてくださらないのです。一度であればまだしも、何度もと言うのが気になります。クダリ、あなたはどう思いますか?」
「確かなの?ジョウトに通ってること」
「確かです」
キッパリ断言するノボリに引っかかりを感じてまた質問をぶつける。
「ノボリはなんで知ってるの?彼女、知らせてくれないのに」
「ライブキャスターですよ。ライブキャスターには安心モードというものがあり、過去1週間の位置情報や新規の番号登録情報を連結した親機に自動で転送するシステムがあるのです」
ライブキャスターにそんな機能あったんだ。
多分、親御さんの為の機能かな。最近は小さな子でも持ってるもんね。
でも、そのノボリの彼女は自分の位置情報が逐一恋人に発信されている事は知ってるんだろうか。
「それと、もう一つ答えて欲しいのですが、"マサキ"と言う名前は男性と女性、どちらのものだと思いますか?」
「んー、男の人?誰の名前?」
「ナマエがジョウトに通い出した初日にライブキャスターに新規登録された名前です」
淡々と話しながらお弁当を食べるノボリ。
話の流れからナマエっていうのがノボリの彼女の名前。
新しく登録された知らない男の名前に、その日から繰り返される内緒の旅行。
最初のどう思うかの質問に戻って答える。
「浮気相手とか?ノボリ、捨てられた?」
バキッ!
変な音が聞こえた。
「……。はい、新しい割り箸」
真っ二つになった割り箸をゴミ箱に促して新しいのを渡す。
「そんなに気になるなら聞いてみたら?ぼくなら聞いちゃう。何処いってたの?何してたの?それ誰なの?って」
ノボリは無表情に眼光だけ鋭くさせてる。
「…いえ、今はまだその時ではありません。確実な一手を打ってからにします。…では、この話はこれで。ありがとうございます、クダリ」
その一言にぼくは首を傾げた。
「まだ何も解決してない。なんで?」
「いえ、解決です。本日確認したかったのはこの話を聞いた時に、第三者の目から見ても浮気である可能性が考慮されるのかという一点のみしたので」
なにそれ、よく分かんない。
だから理解しようとするのをやめた。
それに気づいたノボリが更に付け加える。
「わたくしが彼女を想うばかりに彼女の行動に猜疑の目を向けてしまっている、というわけでは無いと知れたのです」
「……そこまで重なれば浮気を疑う。普通で当然」
「わたくしには、どの程度が普通で当然なのか線引きが難しいのですよ。本来であればわたくし以外の男性と話している時点で浮気ではと、思ってしまうのです。出来れば控えて頂き、願わくばその目にはわたくしだけを写して頂きたいのです。…ですが、世間ではそれは束縛と言うらしく、嫌悪の対象とされるようです。わたくしはナマエに嫌われたくありません。ですから、不安を押し殺して常日頃我慢をしていたのです」
「うわっ……」
うっかり引いたみたいな声でちゃった。
事実引いたから仕方ない。
つまり、さっきの会話は感性のすり合わせ?みたいなやつかと納得する。
話を聞いて薄々勘付いてはいた。
彼女の行動把握したり、ちょっとの事で浮気を疑ったり。
ノボリの愛、すっごく重い。
だけど、その彼女の愛は他の人に行っちゃったらしい。
「でも残念!せっかくなら顔くらい見ておきたかった!ノボリの彼女」
ぼくとしては、元気付けるつもりでちょっと茶化し気味に言ったつもり。
でも、ノボリは至極真面目に、当然と言わんばかりにのたまった。
「何を言っているのです。すぐに紹介する事になりますよ」
"───わたくしの妻として。"
「さぁ、もうすぐトレイン発車時刻です。早く食べてしまいなさい」
ノボリは執務室を出て行った。
うん、やっぱりノボリの言う事、全然分かんない。
浮気してる可能性があるって事は、相手はノボリに愛想を尽かしてる可能性もあるって事。
そんな相手を妻にするだなんて方法無いと思うけど、ノボリはどうやってそれをするんだろう?
お昼休憩の執務室。
ノボリに相談があるって言われて買ってきた駅弁をそこで食べる中、口火を切ったのが冒頭の一言。
ぼくはまず、最初に思った事をそのまま口にする。
「ノボリ、恋人いたの?」
「います」
「シャンデラの事じゃなくて?」
「わたくしの話を聞いていましたか?人間の恋人です。ポケモンではなくお付き合いしている人です。いくらシャンデラが賢いとはいえ、自力で他の地方に赴けるはずがないでしょう」
それもそうだ。びっくりしすぎて変なこと聞いちゃった。
「うんうん、そっか。それで?」
「わたくしにはその事を一切知らせてくださらないのです。一度であればまだしも、何度もと言うのが気になります。クダリ、あなたはどう思いますか?」
「確かなの?ジョウトに通ってること」
「確かです」
キッパリ断言するノボリに引っかかりを感じてまた質問をぶつける。
「ノボリはなんで知ってるの?彼女、知らせてくれないのに」
「ライブキャスターですよ。ライブキャスターには安心モードというものがあり、過去1週間の位置情報や新規の番号登録情報を連結した親機に自動で転送するシステムがあるのです」
ライブキャスターにそんな機能あったんだ。
多分、親御さんの為の機能かな。最近は小さな子でも持ってるもんね。
でも、そのノボリの彼女は自分の位置情報が逐一恋人に発信されている事は知ってるんだろうか。
「それと、もう一つ答えて欲しいのですが、"マサキ"と言う名前は男性と女性、どちらのものだと思いますか?」
「んー、男の人?誰の名前?」
「ナマエがジョウトに通い出した初日にライブキャスターに新規登録された名前です」
淡々と話しながらお弁当を食べるノボリ。
話の流れからナマエっていうのがノボリの彼女の名前。
新しく登録された知らない男の名前に、その日から繰り返される内緒の旅行。
最初のどう思うかの質問に戻って答える。
「浮気相手とか?ノボリ、捨てられた?」
バキッ!
変な音が聞こえた。
「……。はい、新しい割り箸」
真っ二つになった割り箸をゴミ箱に促して新しいのを渡す。
「そんなに気になるなら聞いてみたら?ぼくなら聞いちゃう。何処いってたの?何してたの?それ誰なの?って」
ノボリは無表情に眼光だけ鋭くさせてる。
「…いえ、今はまだその時ではありません。確実な一手を打ってからにします。…では、この話はこれで。ありがとうございます、クダリ」
その一言にぼくは首を傾げた。
「まだ何も解決してない。なんで?」
「いえ、解決です。本日確認したかったのはこの話を聞いた時に、第三者の目から見ても浮気である可能性が考慮されるのかという一点のみしたので」
なにそれ、よく分かんない。
だから理解しようとするのをやめた。
それに気づいたノボリが更に付け加える。
「わたくしが彼女を想うばかりに彼女の行動に猜疑の目を向けてしまっている、というわけでは無いと知れたのです」
「……そこまで重なれば浮気を疑う。普通で当然」
「わたくしには、どの程度が普通で当然なのか線引きが難しいのですよ。本来であればわたくし以外の男性と話している時点で浮気ではと、思ってしまうのです。出来れば控えて頂き、願わくばその目にはわたくしだけを写して頂きたいのです。…ですが、世間ではそれは束縛と言うらしく、嫌悪の対象とされるようです。わたくしはナマエに嫌われたくありません。ですから、不安を押し殺して常日頃我慢をしていたのです」
「うわっ……」
うっかり引いたみたいな声でちゃった。
事実引いたから仕方ない。
つまり、さっきの会話は感性のすり合わせ?みたいなやつかと納得する。
話を聞いて薄々勘付いてはいた。
彼女の行動把握したり、ちょっとの事で浮気を疑ったり。
ノボリの愛、すっごく重い。
だけど、その彼女の愛は他の人に行っちゃったらしい。
「でも残念!せっかくなら顔くらい見ておきたかった!ノボリの彼女」
ぼくとしては、元気付けるつもりでちょっと茶化し気味に言ったつもり。
でも、ノボリは至極真面目に、当然と言わんばかりにのたまった。
「何を言っているのです。すぐに紹介する事になりますよ」
"───わたくしの妻として。"
「さぁ、もうすぐトレイン発車時刻です。早く食べてしまいなさい」
ノボリは執務室を出て行った。
うん、やっぱりノボリの言う事、全然分かんない。
浮気してる可能性があるって事は、相手はノボリに愛想を尽かしてる可能性もあるって事。
そんな相手を妻にするだなんて方法無いと思うけど、ノボリはどうやってそれをするんだろう?