人を呪わば
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「チョロネコせんとうふのう!クダリくんのかち!!」
「ほんとうに強いよな!クダリは!」
「もう兄弟のノボリくんぐらいだよ!クダリくんといいしょうぶができるの!」
「ダブルバトルはノボリくんでもクダリくんには勝てないよ!きっと!」
バトルが終わるとみんな口々に話しながらクダリくんを取り囲む。
ポケモンバトルの強さを重要視する外の社会と同様、このトレーナーズスクールという小さな社会でもバトルの強い子は総じて人気者になる法則があった。
「ねぇねぇ!クダリくん!わたしにもダブルバトルのコツ教えてよ!」
「わたしも!」
クダリくんはクラス全体どころか、スクール全体で群を抜いてダブルバトルが強かった。
ポケモンの特性、相性、コンビネーションの覚えが他の誰よりも早かったからだと今にしてみれば思う。
「いいよ!じゃあ、休み時間にね!」
「わかった!休み時間にあいにいくね!」
「わたしも!わたしも!」
それに加え、人当たりも良く常に笑顔を浮かべていて、尚且つ顔も整っていたクダリくんは特に女の子に人気だった。
「ア、アイアントせんとうふのう!ナマエさんのかち!」
「え、ナマエちゃん、クダリくんに勝ったの?」
「うそ…!ダブルバトルで?」
2匹をボールに戻したクダリくんの目には悔しさと興奮が浮かんでいたのをよく覚えてる。
「すごい!ぼく、ダブルバトルでノボリいがいに負けたのはじめて!また、ぼくとたたかって!」
タイミングとシチュエーションが悪かった。
その日、私は"たまたま"持ってくるモンスターボールを間違えて、ベテラントレーナーの父のポケモンを持ってきた。
そして、"不運にも"委員長だからという理由で授業のダブルバトルの代表に。
"図らずも"対戦カードがクダリくんという事、授業のお手本という枠の注目度。
繰り出したポケモンは"偶然"父が十数年間旅で連れ添ったポケモンで、ひよっこの私が命令せずとも勝手にコンビネーションをとり勝利を収めた。
そして極め付けに、そのバトルがクダリくんにとって兄弟以外に負けた"初めて"のダブルバトルだったこと。
繰り返して言うが、タイミングとシチュエーションが悪すぎたのだ。
トレーナーズスクールという場所は文字通りポケモントレーナーの養成機関である。
"ポケモンバトルにおいて、より有利に立てるよう沢山の知識を蓄える為に通う人"
"将来ポケモンに携わる仕事に就く為に、よりポケモンに詳しくなる為に通う人"
…なんて将来のビジョンの為に通う人は上級生ならいざ知らず、当時の私たちのような下級生は全体の1割にも満たなかっただろう。
ほとんどは"あの子も通ってるし、楽しそうだから"が大半の理由だ。
私も例に漏れず"後者"だった。
「いいんちょう!きょうは時間ある?このまえの再戦!ポケモンバトルしよ!」
あの日から、クダリくんは時間を見つけては私をポケモンバトルに誘ってくる。
父のポケモンを返した私は当然それに頷けるはずがなく、理由をつけて断っていた。
"いいんちょう!いっしょにこっちから帰ろ!こっち公園ある!ちょっとよってバトルしよ!"
"ぼく、いいん、手伝う!だからそのあとぼくとバトル!"
あまりにも私との再戦にこだわるクダリくんにある日理由を聞いたことがある。
「バトルで負けるとね、ここがすっごくもやもやする。このもやもやは勝たないとなくならない」
シャツの胸の部分をギュッとシワになる程強く握るクダリくん。
「それにぼく、さぶうぇいますたーになりたい。だれよりも強くならなくちゃ」
将来を見据えて勝利に貪欲になる姿勢。
「だから、勝ちにげはぜったいにさせない。スクールに入ったとき、決めた事」
そう言ってまっすぐ私を射抜くその目には、トレーナーとしての闘争心が宿っていた。
「ねぇ、ナマエ。いつバトルできる?」
クダリくんはこのスクールで"前者"なんだとその時はっきりと思い知らされた。
「ほんとうに強いよな!クダリは!」
「もう兄弟のノボリくんぐらいだよ!クダリくんといいしょうぶができるの!」
「ダブルバトルはノボリくんでもクダリくんには勝てないよ!きっと!」
バトルが終わるとみんな口々に話しながらクダリくんを取り囲む。
ポケモンバトルの強さを重要視する外の社会と同様、このトレーナーズスクールという小さな社会でもバトルの強い子は総じて人気者になる法則があった。
「ねぇねぇ!クダリくん!わたしにもダブルバトルのコツ教えてよ!」
「わたしも!」
クダリくんはクラス全体どころか、スクール全体で群を抜いてダブルバトルが強かった。
ポケモンの特性、相性、コンビネーションの覚えが他の誰よりも早かったからだと今にしてみれば思う。
「いいよ!じゃあ、休み時間にね!」
「わかった!休み時間にあいにいくね!」
「わたしも!わたしも!」
それに加え、人当たりも良く常に笑顔を浮かべていて、尚且つ顔も整っていたクダリくんは特に女の子に人気だった。
「ア、アイアントせんとうふのう!ナマエさんのかち!」
「え、ナマエちゃん、クダリくんに勝ったの?」
「うそ…!ダブルバトルで?」
2匹をボールに戻したクダリくんの目には悔しさと興奮が浮かんでいたのをよく覚えてる。
「すごい!ぼく、ダブルバトルでノボリいがいに負けたのはじめて!また、ぼくとたたかって!」
タイミングとシチュエーションが悪かった。
その日、私は"たまたま"持ってくるモンスターボールを間違えて、ベテラントレーナーの父のポケモンを持ってきた。
そして、"不運にも"委員長だからという理由で授業のダブルバトルの代表に。
"図らずも"対戦カードがクダリくんという事、授業のお手本という枠の注目度。
繰り出したポケモンは"偶然"父が十数年間旅で連れ添ったポケモンで、ひよっこの私が命令せずとも勝手にコンビネーションをとり勝利を収めた。
そして極め付けに、そのバトルがクダリくんにとって兄弟以外に負けた"初めて"のダブルバトルだったこと。
繰り返して言うが、タイミングとシチュエーションが悪すぎたのだ。
トレーナーズスクールという場所は文字通りポケモントレーナーの養成機関である。
"ポケモンバトルにおいて、より有利に立てるよう沢山の知識を蓄える為に通う人"
"将来ポケモンに携わる仕事に就く為に、よりポケモンに詳しくなる為に通う人"
…なんて将来のビジョンの為に通う人は上級生ならいざ知らず、当時の私たちのような下級生は全体の1割にも満たなかっただろう。
ほとんどは"あの子も通ってるし、楽しそうだから"が大半の理由だ。
私も例に漏れず"後者"だった。
「いいんちょう!きょうは時間ある?このまえの再戦!ポケモンバトルしよ!」
あの日から、クダリくんは時間を見つけては私をポケモンバトルに誘ってくる。
父のポケモンを返した私は当然それに頷けるはずがなく、理由をつけて断っていた。
"いいんちょう!いっしょにこっちから帰ろ!こっち公園ある!ちょっとよってバトルしよ!"
"ぼく、いいん、手伝う!だからそのあとぼくとバトル!"
あまりにも私との再戦にこだわるクダリくんにある日理由を聞いたことがある。
「バトルで負けるとね、ここがすっごくもやもやする。このもやもやは勝たないとなくならない」
シャツの胸の部分をギュッとシワになる程強く握るクダリくん。
「それにぼく、さぶうぇいますたーになりたい。だれよりも強くならなくちゃ」
将来を見据えて勝利に貪欲になる姿勢。
「だから、勝ちにげはぜったいにさせない。スクールに入ったとき、決めた事」
そう言ってまっすぐ私を射抜くその目には、トレーナーとしての闘争心が宿っていた。
「ねぇ、ナマエ。いつバトルできる?」
クダリくんはこのスクールで"前者"なんだとその時はっきりと思い知らされた。