△ [ Dramatic Violet〜plot ]
Lost love memory
◆崖から転落し海に落ちたレモーネは隣のツワイク国のシャーレ姫に救われる。数年後…シャーレのお見合いに付き添った彼女はエアーデ公子の従者シュネーバルと出会う。彼は姿形がザフトそっくりの青年だが過去の記憶を失っていた…
{◎シュネーバルというのはドイツのローテンブルクの名物菓子で「ブルボ○」の「ルマ○ド」を野球ボール大の親玉サイズにしたようなお菓子です…すごくボロボロ崩れやすい菓子…}
19-“はじめまして、レモーネさん”
フロッテ国のフォルテ王の側室のレモーネは王の追跡から逃れたが崖から海に落ちてしまう。気がつくとベッドで横たわっており、そこにツワイク国のシャーレ姫がいた。海岸で倒れていたレモーネを介抱してくれたのだ。ザフトとはぐれ、妃の証の指輪も失くし、アーベントにも戻れないレモーネは身元を隠しシャーレの侍女として働く。そんな時、レモーネはザフトとの子を身籠っている事に気づく…
*
それから3年後…ザフトとの子を育てながら侍女として働くレモーネはある時、シャーレのお見合いに付き添う。そこでお見合い相手のエアーデ公の従者であるシュネーバルと言う青年に会う。ザフトと姿形がそっくりだが過去の記憶を失い自分が何者かも分からないという。昔の記憶で時々うなされるというシュネーバルの話を聞いたレモーネは、ザフトはフォルテ王からの虐待を受けたショックで記憶を失ったのだと知る。ザフトに再び会うことが出来た時は2人の子供である「リヒト」の事を話せると希望を持っていたレモーネは哀しみに暮れるのだった…
20-家族のように…
シャーレとエアーデは気が合うカップルとなり今度はヘルシェン国のエアーデ公の城へ招待される。町は年末の祭で賑わっていたがレモーネはシャーレたちとはぐれてしまう。シュネーバルがレモーネとリヒトを祭に案内し3人は家族のように過ごす。しかしレモーネは時折シュネーバルに対し「ザフト」と呼びかけてしまうのだった。その夜、城へ帰ってからレモーネとシュネーバルはお酒を飲むがレモーネは酔った勢いで自分の正体やシュネーバルの過去であるザフトの事を話してしまう。楽しく過ごした祭のひとときと寝入ってしまったレモーネに愛しさを感じたシュネーバルは…
21-演劇代役
翌朝、シュネーバルのよそよそしい態度からレモーネは酔った弾みで洗いざらい過去を話してしまったのだと気づく。一方、シュネーバルはレモーネに対し思いがけない行動を取ってしまった自分を恥じてレモーネを避けていた。シャーレはエアーデ公子をツワイクの城に招待する事を口実にレモーネとシュネーバルを仲直りさせる計画を立てる。ツワイクではザフト王子が切り開いた「野菜の道」を祝う祭が開かれる。祭に向かう際、レモーネはシュネーバルに謝り、シュネーバルもよそよそしい態度を謝る。しかしレモーネに取った行動は隠したままなのだった…
*
祭では演劇が予定されていたが主役が思わぬケガをして監督は困っていた。そこへやって来たシュネーバルを見るなり、ぜひ代役を勤めて欲しいとお願いされて引き受けることに。幕が下りてから楽屋に突然レモーネの父と母が現れる。ユンター氏が来賓で訪れていて舞台に登場したザフトに気づいて駆けつけたのだ。しかしシュネーバルはユンター氏の事も覚えていないのだった…。
22-薬草と毒草
祭の2日目。シャーレはレモーネを祭のテントの1つへ連れて行く。そこは薬草と毒草を展示されていた。テントのオーナーである先生が「記憶を呼び戻せる薬草」があると言いレモーネはその話に飛びつく。しかし薬草は研究中で毒草にもなるためその話はそれで終わってしまう。その様子をシュネーバルは少し離れたところで見ていた。
*
その夜、最近よく眠れないと言っていたシュネーバルにレモーネはハーブティーを差し入れする。レモーネは父ユンター氏がシュネーバルの事をアーベント国で受け入れて良いと言っており、あちらで暮らさないかと提案する。しかしまたザフトを引き合いに出すレモーネにシュネーバルは苛立ちをぶつける。昼間の薬草の話にすがるように飛びついた姿に未だ不信感を持ってると言い、もしこれ以上自分の中にザフトを追い求めるなら自分と関係を持つよう迫る。拒否するレモーネだが寂しさを露呈する彼に同情して身体を赦そうとする。しかし無理強いした事を後悔しレモーネに部屋を出ていくように言う。その時、断片的に昔を思いだしたシュネーバルは気を失ってしまう。
23-傷だらけのプライド
レモーネは父のユンター氏に自分はもう少しツワイク国に残ると告げ、両親はアーベント国へ帰る。介抱されていたシュネーバルは昨夜の自分の過ちをレモーネに詫び、エアーデ公子への恩もあるとアーベント行きは辞退したのだった。
*
エアーデがもう1泊することになりシャーレは彼に手料理をご馳走する事に。しかし調理中に火事がおきてしまいシャーレとリヒトが火中の台所に取り残されてしまう。シュネーバルが助けに行くがレモーネは彼の背中の酷い傷を見てショックを受ける。そこへ外出から帰ったエアーデも駆けつけシャーレとリヒトは無事救出される。その夜、レモーネはシュネーバルの手当てをする。しかし彼は背中だけは見せようとせず、傷痕を恥じ、なぜ自分がこの様な目に遭うのかと苛立ちを見せる。「あなたが負ったその傷は私のせいよ…!」突然泣きじゃくり、すがりつくレモーネに驚くシュネーバルは、しばらく動けずにいた。落ち着いたレモーネをそのまま寝かしつけようとするが、レモーネはシュネーバルを愛してると告げる。シュネーバルは「自分は姿がザフトとそっくりなだけ…」というが自身もレモーネに好意を持ち続けていたことを明かし、2人は愛し合うのだった。
◆おまけ…Honey moon(17話おまけ)
24-新しい国-前編
エアーデ公子の元にヘルシェンのハルト王から手紙が届く。シュネーバルが行方不明のザフトの可能性が高いと情報を得た父王からの城の招喚だった。気乗りしないシュネーバルだが、むげに断れずエアーデと共に城へ赴く。記憶を失っていて他人行儀のシュネーバルだが城内の一部の者しか知らない隠し通路を無意識に覚えていてザフトであると確信する。ハルト王はシュネーバルにしばらく城内勤務を命じる。領地に戻ったエアーデはシュネーバルはしばらくハルト王の元に留まる事を伝えシャーレ姫に求婚する。シャーレの侍女を解かれたレモーネはこれを機にリヒトを連れてアーベントへ帰国する。
*
一方、フロッテ国では冷夏の作物不作で諸国の援助を必要としていた。外交大臣のパルフェン姫は夫フォルテと共にヘ周辺国訪問へ赴く。アーベント国へ訪問の際、フォルテはレモーネの息子リヒトを見かけ、自分の息子かと尋ねるがレモーネは否定する。その一部始終を見たパルフェンは外遊前に懐妊していることが判明してたが言い出せなくなってしまう。フォルテの側室たちが誰も子を宿さなかったのはパルフェンがお茶会に配っていた菓子に避妊薬を混ぜていたからだった。しかし当時レモーネだけは年齢制限で出席していなかった。
*
久しぶりにエアーデ公子の元に戻ったシュネーバルはレモーネがアーベントに帰国したことを知りその足でアーベントへ。レモーネを驚かせようと連絡なしに訪問するがそこで偶然フォルテと対面してしまう。シュネーバルはフォルテに拒絶反応を起こし、面談はそれきりになってしまう。レモーネはシュネーバルは、かつてのザフトで記憶喪失であることを告げる。帰国後、フォルテは以前から知り合いだった「記憶を呼び戻せる薬」を研究していた博士(野菜祭のテントのオーナー)に薬の研究を急ぐよう依頼する。
*
それからしばらくして…フォルテはレモーネに取り引きを持ちかける。リヒトが自分の血を引いている子であると信じ込むフォルテはシュネーバルの記憶回復薬と引き換えにリヒトを養子にするよう要求して…
最終回,-新しい国-後編
フォルテの記憶回復薬の取引に揺れるレモーネ…一方、シュネーバルはハルト王や他の側近の推薦もありヘルシェン国の正式な家臣として認められる。今までザフトの帰還を待ち続けていたレモーネに遠慮していたシュネーバルだがヘルシェンで堅実な地位を手に入れた事で自信を持ち、レモーネに求婚する決意をする。同じ頃、パルフェンは単身アーベント国へ赴きフォルテに内緒で持ち出した「記憶回復薬」を渡す代わりにリヒトが本当は誰の子なのか正直に話して欲しいとお願いする。レモーネはフォルテに乱暴されそうになったのは事実だが一切通じておらず、間違いなくザフトの子だと告げる。その後、フルフト国へ帰国したパルフェンは自身の懐妊を夫に打ち明ける。フォルテはレモーネと情を交わしたと言い張るがパルフェンは女性同士の会話からレモーネは強引に子を孕まされたではないと悟り、フォルテの嘘を指摘する。そしてこれ以上レモーネにつきまとうならば自分が子どもを引き取りシングルマザーになると啖呵を切った事でフォルテはようやく目が覚めパルフェンと向き合うのだった。薬を手に入れたレモーネだがザフトをこのまま待ち続けるか、シュネーバルに薬を飲ませ過去を思い出させるか、ためらっていた。パルフェンからは薬には副作用があり、記憶を呼び起こす代わりにシュネーバルとして過ごした時期の記憶は消えてしまうと警告されていた。そんな時、レモーネはシュネーバルからプロポーズされる。記憶が戻らなくてもシュネーバルと共に生きて行こうと決意するのだった。
*
レモーネとシュネーバルの婚礼の宴の日。レモーネは手作りの菓子をシュネーバルに用意していたが酔ってうたた寝してしまう。レモーネのドレスの裾から転がり落ちた小箱(記憶を回復する薬)をシュネーバルはレモーネが作った菓子と勘違いして食べてしまう。意識を取り戻したレモーネがそれを阻止し、シュネーバルは薬の効力が半減し、シュネーバルとしての記憶を残しつつザフト王子としての記憶も思い出したのだった。それから…大陸で最も離れた国同士のザフト王子とレモーネ姫の婚礼により、へルシェン国、フロッテ国、アーベント公国の一帯は安泰の時代を迎える。それはこの大陸の他の国々にも良い影響を与え、末永く栄えたそうだ……。
〈終〉
***再掲,
◆崖から転落し海に落ちたレモーネは隣のツワイク国のシャーレ姫に救われる。数年後…シャーレのお見合いに付き添った彼女はエアーデ公子の従者シュネーバルと出会う。彼は姿形がザフトそっくりの青年だが過去の記憶を失っていた…
{◎シュネーバルというのはドイツのローテンブルクの名物菓子で「ブルボ○」の「ルマ○ド」を野球ボール大の親玉サイズにしたようなお菓子です…すごくボロボロ崩れやすい菓子…}
19-“はじめまして、レモーネさん”
フロッテ国のフォルテ王の側室のレモーネは王の追跡から逃れたが崖から海に落ちてしまう。気がつくとベッドで横たわっており、そこにツワイク国のシャーレ姫がいた。海岸で倒れていたレモーネを介抱してくれたのだ。ザフトとはぐれ、妃の証の指輪も失くし、アーベントにも戻れないレモーネは身元を隠しシャーレの侍女として働く。そんな時、レモーネはザフトとの子を身籠っている事に気づく…
*
それから3年後…ザフトとの子を育てながら侍女として働くレモーネはある時、シャーレのお見合いに付き添う。そこでお見合い相手のエアーデ公の従者であるシュネーバルと言う青年に会う。ザフトと姿形がそっくりだが過去の記憶を失い自分が何者かも分からないという。昔の記憶で時々うなされるというシュネーバルの話を聞いたレモーネは、ザフトはフォルテ王からの虐待を受けたショックで記憶を失ったのだと知る。ザフトに再び会うことが出来た時は2人の子供である「リヒト」の事を話せると希望を持っていたレモーネは哀しみに暮れるのだった…
20-家族のように…
シャーレとエアーデは気が合うカップルとなり今度はヘルシェン国のエアーデ公の城へ招待される。町は年末の祭で賑わっていたがレモーネはシャーレたちとはぐれてしまう。シュネーバルがレモーネとリヒトを祭に案内し3人は家族のように過ごす。しかしレモーネは時折シュネーバルに対し「ザフト」と呼びかけてしまうのだった。その夜、城へ帰ってからレモーネとシュネーバルはお酒を飲むがレモーネは酔った勢いで自分の正体やシュネーバルの過去であるザフトの事を話してしまう。楽しく過ごした祭のひとときと寝入ってしまったレモーネに愛しさを感じたシュネーバルは…
21-演劇代役
翌朝、シュネーバルのよそよそしい態度からレモーネは酔った弾みで洗いざらい過去を話してしまったのだと気づく。一方、シュネーバルはレモーネに対し思いがけない行動を取ってしまった自分を恥じてレモーネを避けていた。シャーレはエアーデ公子をツワイクの城に招待する事を口実にレモーネとシュネーバルを仲直りさせる計画を立てる。ツワイクではザフト王子が切り開いた「野菜の道」を祝う祭が開かれる。祭に向かう際、レモーネはシュネーバルに謝り、シュネーバルもよそよそしい態度を謝る。しかしレモーネに取った行動は隠したままなのだった…
*
祭では演劇が予定されていたが主役が思わぬケガをして監督は困っていた。そこへやって来たシュネーバルを見るなり、ぜひ代役を勤めて欲しいとお願いされて引き受けることに。幕が下りてから楽屋に突然レモーネの父と母が現れる。ユンター氏が来賓で訪れていて舞台に登場したザフトに気づいて駆けつけたのだ。しかしシュネーバルはユンター氏の事も覚えていないのだった…。
22-薬草と毒草
祭の2日目。シャーレはレモーネを祭のテントの1つへ連れて行く。そこは薬草と毒草を展示されていた。テントのオーナーである先生が「記憶を呼び戻せる薬草」があると言いレモーネはその話に飛びつく。しかし薬草は研究中で毒草にもなるためその話はそれで終わってしまう。その様子をシュネーバルは少し離れたところで見ていた。
*
その夜、最近よく眠れないと言っていたシュネーバルにレモーネはハーブティーを差し入れする。レモーネは父ユンター氏がシュネーバルの事をアーベント国で受け入れて良いと言っており、あちらで暮らさないかと提案する。しかしまたザフトを引き合いに出すレモーネにシュネーバルは苛立ちをぶつける。昼間の薬草の話にすがるように飛びついた姿に未だ不信感を持ってると言い、もしこれ以上自分の中にザフトを追い求めるなら自分と関係を持つよう迫る。拒否するレモーネだが寂しさを露呈する彼に同情して身体を赦そうとする。しかし無理強いした事を後悔しレモーネに部屋を出ていくように言う。その時、断片的に昔を思いだしたシュネーバルは気を失ってしまう。
23-傷だらけのプライド
レモーネは父のユンター氏に自分はもう少しツワイク国に残ると告げ、両親はアーベント国へ帰る。介抱されていたシュネーバルは昨夜の自分の過ちをレモーネに詫び、エアーデ公子への恩もあるとアーベント行きは辞退したのだった。
*
エアーデがもう1泊することになりシャーレは彼に手料理をご馳走する事に。しかし調理中に火事がおきてしまいシャーレとリヒトが火中の台所に取り残されてしまう。シュネーバルが助けに行くがレモーネは彼の背中の酷い傷を見てショックを受ける。そこへ外出から帰ったエアーデも駆けつけシャーレとリヒトは無事救出される。その夜、レモーネはシュネーバルの手当てをする。しかし彼は背中だけは見せようとせず、傷痕を恥じ、なぜ自分がこの様な目に遭うのかと苛立ちを見せる。「あなたが負ったその傷は私のせいよ…!」突然泣きじゃくり、すがりつくレモーネに驚くシュネーバルは、しばらく動けずにいた。落ち着いたレモーネをそのまま寝かしつけようとするが、レモーネはシュネーバルを愛してると告げる。シュネーバルは「自分は姿がザフトとそっくりなだけ…」というが自身もレモーネに好意を持ち続けていたことを明かし、2人は愛し合うのだった。
◆おまけ…Honey moon(17話おまけ)
24-新しい国-前編
エアーデ公子の元にヘルシェンのハルト王から手紙が届く。シュネーバルが行方不明のザフトの可能性が高いと情報を得た父王からの城の招喚だった。気乗りしないシュネーバルだが、むげに断れずエアーデと共に城へ赴く。記憶を失っていて他人行儀のシュネーバルだが城内の一部の者しか知らない隠し通路を無意識に覚えていてザフトであると確信する。ハルト王はシュネーバルにしばらく城内勤務を命じる。領地に戻ったエアーデはシュネーバルはしばらくハルト王の元に留まる事を伝えシャーレ姫に求婚する。シャーレの侍女を解かれたレモーネはこれを機にリヒトを連れてアーベントへ帰国する。
*
一方、フロッテ国では冷夏の作物不作で諸国の援助を必要としていた。外交大臣のパルフェン姫は夫フォルテと共にヘ周辺国訪問へ赴く。アーベント国へ訪問の際、フォルテはレモーネの息子リヒトを見かけ、自分の息子かと尋ねるがレモーネは否定する。その一部始終を見たパルフェンは外遊前に懐妊していることが判明してたが言い出せなくなってしまう。フォルテの側室たちが誰も子を宿さなかったのはパルフェンがお茶会に配っていた菓子に避妊薬を混ぜていたからだった。しかし当時レモーネだけは年齢制限で出席していなかった。
*
久しぶりにエアーデ公子の元に戻ったシュネーバルはレモーネがアーベントに帰国したことを知りその足でアーベントへ。レモーネを驚かせようと連絡なしに訪問するがそこで偶然フォルテと対面してしまう。シュネーバルはフォルテに拒絶反応を起こし、面談はそれきりになってしまう。レモーネはシュネーバルは、かつてのザフトで記憶喪失であることを告げる。帰国後、フォルテは以前から知り合いだった「記憶を呼び戻せる薬」を研究していた博士(野菜祭のテントのオーナー)に薬の研究を急ぐよう依頼する。
*
それからしばらくして…フォルテはレモーネに取り引きを持ちかける。リヒトが自分の血を引いている子であると信じ込むフォルテはシュネーバルの記憶回復薬と引き換えにリヒトを養子にするよう要求して…
最終回,-新しい国-後編
フォルテの記憶回復薬の取引に揺れるレモーネ…一方、シュネーバルはハルト王や他の側近の推薦もありヘルシェン国の正式な家臣として認められる。今までザフトの帰還を待ち続けていたレモーネに遠慮していたシュネーバルだがヘルシェンで堅実な地位を手に入れた事で自信を持ち、レモーネに求婚する決意をする。同じ頃、パルフェンは単身アーベント国へ赴きフォルテに内緒で持ち出した「記憶回復薬」を渡す代わりにリヒトが本当は誰の子なのか正直に話して欲しいとお願いする。レモーネはフォルテに乱暴されそうになったのは事実だが一切通じておらず、間違いなくザフトの子だと告げる。その後、フルフト国へ帰国したパルフェンは自身の懐妊を夫に打ち明ける。フォルテはレモーネと情を交わしたと言い張るがパルフェンは女性同士の会話からレモーネは強引に子を孕まされたではないと悟り、フォルテの嘘を指摘する。そしてこれ以上レモーネにつきまとうならば自分が子どもを引き取りシングルマザーになると啖呵を切った事でフォルテはようやく目が覚めパルフェンと向き合うのだった。薬を手に入れたレモーネだがザフトをこのまま待ち続けるか、シュネーバルに薬を飲ませ過去を思い出させるか、ためらっていた。パルフェンからは薬には副作用があり、記憶を呼び起こす代わりにシュネーバルとして過ごした時期の記憶は消えてしまうと警告されていた。そんな時、レモーネはシュネーバルからプロポーズされる。記憶が戻らなくてもシュネーバルと共に生きて行こうと決意するのだった。
*
レモーネとシュネーバルの婚礼の宴の日。レモーネは手作りの菓子をシュネーバルに用意していたが酔ってうたた寝してしまう。レモーネのドレスの裾から転がり落ちた小箱(記憶を回復する薬)をシュネーバルはレモーネが作った菓子と勘違いして食べてしまう。意識を取り戻したレモーネがそれを阻止し、シュネーバルは薬の効力が半減し、シュネーバルとしての記憶を残しつつザフト王子としての記憶も思い出したのだった。それから…大陸で最も離れた国同士のザフト王子とレモーネ姫の婚礼により、へルシェン国、フロッテ国、アーベント公国の一帯は安泰の時代を迎える。それはこの大陸の他の国々にも良い影響を与え、末永く栄えたそうだ……。
〈終〉
***再掲,