△ 月夜とダイヤモンド〜re:make

(おまけ~月夜とダイヤモンド)
◇Crescent and Jewelry

※本編を読んでないと意味が分かりません…人生に暇な時に読んでみてください。
※挿絵(5点)省略してます「ILLUST」にて。

{◎小説のおまけ。この小説ハッピーエンドなのですが内容もイラストも暗い感じになってしまったのでここでは少女マンガっぽく明るくいちゃつかせました♡本来はこういう作風が好きです。そして急須(作者)はハーレクイン風が好きだと気付かされました。今まで読んだ事なく。どーせ意地悪な内容なのだろう…と思って。
(人*´∀`)。*゚+物凄く甘いですね〜
特に1970年代の線画少女マンガ風が最高〜
(≧▽≦)♡♡♡お手本にしたい!!}


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♪勝手にインタビューコーナ
Q1…この小説で1番好きなところは?
A…ダリアの「ええ、知らないわ!」のセリフの所。ひどい男性に言ってやりたい…。

Q2…書店に麺出し…ちがう…面出しでこの小説を売る事になりました。帯に載せたい名台詞は?
A…「…私に…三日月を頂戴…」


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{◎マンガにしてみた…}
□4pages



■■■07-02_三日月と宝石

…それからクレセントは、自分の黒いドレスシャツも黒いスラックスも脱いだ。ダリアが自身の大切なペティコートと、惜しみなく裂いたブラウスのボウタイ、それからガーターで丁寧にきちんと巻き付け、手当てしてくれた右の上腕以外、クレセントは何も身に着けて無かった。
満月の明かりで白く輝く2つのダイヤモンドへもう一度口付けした。ピンク色の小粒が頬に触れて来た。ダリアが指先で優しくクレセントの頭や、髪にそっと触れて撫でた。
それから…微かに呼吸を感じる腹部の下に腕を回して、腰の下に滑らせ、2粒の大きな大きな真珠に触れた。ふと、木製の寝台が微かに軋む…真珠には、寄り添う2本の透ける様な太い立派な水晶があって、その間には漆黒の宝石が輝いていた。煌き輝いているのはそれだけでは無かった。気付くと水晶の間からは小さな小さなせせらぎが流れていた…それは寝台に小さな泉を作っていた。
「…いやよ…見ないで…恥ずかしい……」ダリアは囁いた…
そっとサファイアに両手を添えて、それを隠すダリア。クレセントは、優しくその手を取るとダリアの両脇にきちんと戻した。そしてクレセントは、そのせせらぎに触れて来た。ダリアは驚いて…
「駄目よ…!この水は…飲めないの…!」
「何故…?こんなに綺麗なのに……」
ダリアは、バスルームへ水の入ったコップを取りに行こうと立ち上がりかけましたが、クレセントに遮られ、そのまま寝台に戻されてしまった…
クレセントは、せせらぎに再び触れて来た。そして水晶を伝い、水源のサファイアまで辿り着いた…そうするとダリアは、まるで全身の骨がとろけてしまったようになり、体は言うことを聞かず、もうそれ以上動く事が出来なかった…泉の女神であるダリアは、小さな硝子の破片の様な溜息をもらした…こんな気分は生まれて初めてだった…
微かな月明かりに照らされた、ダリアの顔を覗き込む。

幾重も色とりどりに煌めくオパールの様な2粒の瞳…

情熱的なルビーの様な唇…

柔らかくて溶ろけて仕舞いそうなムーン・ストーンの様な両頬…

クレセントは、そのままダリアに覆い被さり、ゆっくり優しく、抱き締めた。クレセントの腰には、いつの間にか三日月が現れていた…
「…すぐに、行かないと…三日月と言う物は、現《あらわ》れたかと思えば、瞬く間に地平線の彼方に沈んでしまうものだから…」
そう呟くと、彼は三日月を2本の水晶の間へ、そっと捧げた…サファイアに辿り着くことができると、更に高く掲げた…

…最初、その小さな小さなせせらぎだった流れは、三日月を掲げてからは、徐々に徐々に加速して行き、やがてそれぞれが合流して行き、遂に其れは大きく大きく緩やかな流れになった。そしてその時、クレセントとダリアはお互いに出逢えた事への感謝、想いが通じた事への感激、心から生きていて本当に本当に良かったと思ったのだった。その悦びに辿り着いた時、三日月と数々の宝石はより一層光を増して行き、それは天を流れているあの白い大河よりもさらに眩しく輝くのだった……


(※そして08章へ続く…)

□07章より『地下室の2人』

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