[ Diary kyuusu ]

[2024/08/10]
(ボタンをぬいつける)


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スラックスのボタンが取れそうだった。

丁度、「n回目の面接」の帰り道だった。
(落ちた回数をいちいち数えてたら気がへんになる…)
腰が、ゆるい感じがしたので、見るとスラックスのボタンが取れそう…


まず考えたのは、今日の面接が受かるかどうかだ。
やる気は見せられたと思うが、会社側は私の希望する部署の人材は間に合っていそうに感じられ、脈無しと思われる。


ならば、次の面接までにスーツを万全に準備しておかなくてはならない。クリーニングに出したばかりだったから、あと1回は穿きたい、人頼みもできない。自分でボタン付けをしなければ、という結論に達した。


自宅に帰ると、悶々としたブラウスは、さっさと洗濯かごに放り込み、中国製のゴムウエストのズボンと無地カットソーに着替える。


自分はボタンが付いた服は買わないことにしてる。
綿の資源回収に出す時、ボタンを取らないといけないし…
ボタンが外れそうだったら、縫わなきゃいけなくて、時間がもったいないし…
それに、ふだんから裁縫をやらないから、使わないボタンが沢山集まってしまい、捨てるだけなので資源の無駄だし…

…じゃあ大国で、安い給料で働かされて、安いままの彼女たちの生活費は、それでいいのか、どうなんだ……などと考えながら小学生の時に支給された教材の裁縫箱を引っ張り出す。


はっきり言って裁縫は苦手だし、箱が結構大きくてカラーボックスの場所を塞ぐし、捨てちゃってもいいのだが、ソーイングセットを買い足す羽目になるので未だに保管してる。
(縫い針って結構高いよなぁ……)


まず針に糸を通す。糸口を舐めて通そうとするが、縒ってある糸先がほつれて入らず、やり直し。
結局、糸通しを使う。
(糸通しを発明した人は偉大だと思います。世の中の裁縫する人の時間を節約してくれるのだから)


さて、いざ作業を始めようとした時……
ふと「縫いつけ方」が分からない。スマホで画像検索してから再開。
(裁縫を普段から、やらない人は動画を見ても結局何やってるのか分からないんです…しかも私のスマホは動画が悠々と見られるほど高性能なスマホではない)


◆できた…しかし糸が細過ぎで、ほどけてもう一回やり直し。


◆できた…しかし一本で縫い付けたので玉結びがほどけてしまい、糸を二本にしてもう一回やり直し。


◆できた…しかし表と裏の穴の位置が離れ過ぎて、いびつなのでもう一回やり直し。


◆できた…しかしボタンには4つ穴があり、1つだけ糸が通過しておらずもう一回やり直し。


◆できた…しかし最後の残った糸が短すぎて、玉結びができないのでもう一回やり直し。


◆できた…今度は糸が余分で、途中で絡まってしまいもう一回やり直し。



こうして7回目で、ようやく仕上がったのだった。
1時間くらいかかった……。


次にスーツを買う時は上着はボタンがあっても、ゴムウエストのスラックスにしたいと思いました。

あと、自宅洗濯可のヤツいいよね~。
ただし、職業によってはスーツなんて面接の時以外、着ないんだけどね。

(おわり)
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