-短編-未完成作品
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身体の一部を持って寝るのが、約束。
レオンがこちらで過ごしている、任務で一緒になる時は必ず寝る時にこの秘密の訓練を行っている。
この訓練に慣れるまでは、[#da=1#]の手首をレオンがその手に包んで眠っていた。
何度も手を引き抜こうとしたり、軽い発作に悩まされ眠る事が出来ない事も多かったが時間が経過するにつれ、酷く取り乱す頻度が少なくなっていて。
勿論苦しそうに肩で呼吸をしている事もあるが。
眠る前に一度抱き締める。
眠る迄、レオンが手首を持って過ごす。
眠ったのを確認したらその手を離してやる。
一連の流れがこれだった。
しかし最近になって取り乱さずに眠る回数が増えて来た事で、ルールが少し変わった。
眠る前に一度抱き締める。
レオンの身体の、一部に触れたまま眠る事。
起きたらレオンを起こし、一度抱き締めてから夜の秘密の訓練は完了する。
触れる部分は何処でも良い事となって。
腕でも腰でも、足でもいいと言われた時にとても困惑していた。
持てる所を持って眠ればいいと、許容の範囲を広げたものの、どこに触れたらいいか困っていた様子だった。
悩んだ末に眠る時に指を握った小さなその手に内心飛び上りそうな程、驚いた。
なるべく平静でいないと、と思いながらも、何故か意識が集中してしまい初日は自分が眠れなかった。
右の手、主に小指をしっかり握って、体温に恐怖しない自分と闘っている幼い少年――
いや。
神にたった一つ背いて、性別をひた隠している。
勿論レオンにもその事実は隠されているが、レオンの観察力はその事実を隠せない。
潜入捜査として女装をして臨む事もある為、レオンに気付かれている事は[#da=1#]も分かっているだろう。
この旅客船で行われるお菓子の発表会に潜入した2人。
数日女装を強いられる事になっている。
感情が上手く切り替えきれぬままぼんやりと甲板の端で長時間座っていた幼い神父――
いや、[#da=1#]は現在潜入中である。
女装し『令嬢』としてこの旅客船で過ごしている。
潮風に長く当たった為か、船酔いかどちらか不明だがあまり状態が良いとは言えそうにない同僚を、レオンは眺めていた。
眠ったままの少年は喉元で何か、言っている様な。
仔犬の様な鳴き声でクンクンと鳴く少年の顎のラインに沿って優しくなぞってやる。
「…かわいいぜ?」
口端を僅かに上げて。
顎から耳へ、頬をゆっくり滑らせて撫でると、その指先から逃れる様に僅かに動き「んん…っ」と、声を上げる。
上擦った声がレオンの耳届いた時。
喉が鳴った。
思わず身体が寄る。
近寄る程に、甘美な香りが強くなる。
気がついた時には。
獣が首元へと甘噛みする。
「んぅっ」
耳を突く小さな声が、鼓膜を刺激して。
声を聞いた途端、我に返る。
「っと――」
慌てて身体を起こした。
深く瞼の奥に隠れていた赫い瞳がこちらを向いた。
何か――
違和感を感じた様な、少年のその瞳は直ぐに前髪に隠れてしまって。
上半身を起こした仔犬は、違和感を感じた様子で、しかし何が起こったかは、分からない様だった。
レオンを見上げる様にして、その表情が問い掛ける。
内心焦ったが、少年は事実を見極められないままで。
「大丈夫か?」
平静を装って。
前髪で普段器用に隠しているその瞳と。
目が合っている気がして。
覗き込む様な瞳の中には、レオンが映し出されている。
目が合っている事に気が付いているのだろうか。
肩からさらりと流れたその髪でさえも、目を奪われてしまう。
「お前が眠っている間は、俺が――保証してやるからな」
俺は。
何をやっているんだ。
こいつの信頼を――
ああ。
今この瞬間。
俺は裏切っている。
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子供を中心に招待された、旅客船でのスイーツ博覧会。
両親揃って参加している子供。
姉妹揃っての参加をしている子供。
幼い妹と参加をしている子供。
執事を伴った参加の子供。
賑やかな子供達の声が船内に響いている。
「あ、っ」
「おや、これは失礼」
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書き足すかめちゃくちゃ悩む
作品の一つなんだけど、
軽いセクハラだよね、レオンさん。
管理人はどういうつもりなんだい??
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