- Trinity Blood -4章
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今すぐ、キスしたい。
葛藤しつつ、獣は首筋に一つ、痕を残した。
「したい、」
耳元でそう言うと、力が入らない様子の悲鳴が漏れ聞こえる。
「ふあ、あ…っ」
[#da=3#]は耳の感度がとても良い。
よく知っている。
ずっと、前から知っている。
「したい、キス、…なあ?」
「ん、んあ…あっ」
懇願する様に、声をゆっくり流し込み、耳朶を唇で挟みながら声を掛ける。
分かり易く音を立てて、ぺちゃりと耳を舐め上げる。
「や、やめ…あっ…あ、」
身動きが取れないままの両腕を必死に引き抜こうとするが、そんな事も赦されない。
力が上手く入らない様子で、それでも快楽から逃れようとする[#da=3#]に、我慢が出来そうにない。
良いよと、返事をして。
レオンの手が少女の両手を封じたままだ。
耳朶に軽く歯を立てると一層高い悲鳴を上げる。
返事をする余裕さえ与えられないのに、返事が待てない。
「だめ?」
わざと、子供の様にちょっと甘えた声を出して。
「…も…はなし、て?」
「離したらキスしていい?」
「そんなの…」
鼻先が当たる位近くに寄ってくるレオンなど見えている訳が無いのに、何故かこうやって、主張する。
吐息を感じるだけで、背筋がぞくぞくと心地よい痺れ。
この感覚だけでも、耐えられそうにないのに。
ああ。
早く、良いよと言ってくれ。
「一回だけにするから」
「…一回だけ?」
本当に、と問い掛ける様な表情で。
少女の瞳は、光を失ったまま。
レオンの金色の瞳を覗き込む様にこちらを覗き込む。
「目、閉じて」
見えていないのに、どうして。
まるで見えているかの様に、言うのだろうか。
優しさなのか、それとも別に意味があるのだろうか。
戸惑いながら瞳を閉じると、両手首が解放される。
白髪を撫でたその指が顎のラインをゆったりと撫でて、持ち上げる。
くすぐったい様子で肩を震わせる少女の唇へと近付く。
舌で味わう様に下唇を撫で、少女の唇へと口づける。
腕に当たる、少女の小さな手が大漢の興奮を誘っているなんて、気が付いているのだろうか。
唇を重ねるだけだと思っていたのか。
違和感を感じた様で喉奥で何か、言い掛けている。
途端。
唇を割って舌を入れ込む。
左の掌が[#da=3#]の後頭部を抱え、抵抗試みた少女の動きはすっかり封じられてしまった。
強張った[#da=3#]の身体を支えた右腕に、力が入る。
歯列をなぞり、唇で蓋をして。
少女が苦しさのあまり酸素を求めて両手でレオンを押すが、そんな事この大漢には何の障害にも成らない。
舌をねじ込ませ、小さな舌を捕らえる。
苦しいと訴える両手に気持ちが高揚していく。
仰け反る身体を支え、少女の舌を逃さない。
時折開く隙間に酸素を求めて口を開くと、喉奥まで侵入する分厚い舌が呼吸を遮断する。
両手がレオンのシャツを掴んで――、
唇を軽く噛んで、名残惜しい様子で唇を離すと、口元へ手を当てて、右腕で仰け反らしたままの腕の中で軽く咳込む。
「…けほ…、はっ、あ…っ」
深く、浅く、呼吸を繰り返しながら酸素を取り込もうと必死で、身体を捕らえられたままである事などを考える余裕がない。
脱力していくのに合わせてゆっくり身体を降ろしてやる。
呼吸の順番を忘れたかの様に、苦しそうに胸元を上下させる。
上から見下ろす様な姿勢で、隙間から垣間見える素肌に視線を奪われている。
呼吸の度に上下する小さな身体がその身を縮めると、シャツに隠れていた見えない部分が露出する。
息を呑む。
太腿に釘付けに――いや、実際はもっと上だ。
吸い付きたくなる衝動を抑えるのに必死だ。
今、間違ってはいけない。
自分には言い聞かせるが下腹部はすっかり欲を主張している。
柔らかく、少し体温の低い肌。
シャツを掴んだ手の小ささも、甘い香りがする首筋も、耳の感度が良い事も、手に収まってしまう胸も、頼りない腰の細さも、柔らかい太腿も全部。
レオンにとっては誰にも、触れさせたくない、渡したくない大切な存在である。
けれど焦ってはいけない。
「ごめんな…」
本当に謝りたい相手は、すっかり記憶を失くしていて。
能力の使い方を忘れた事で、寿命が少し伸びているだけだと‘教授‘は見ているらしい。
このまま生きても、恐らくそんなに長くはないらしい。
まだ少し上がったままの呼吸で、瞳がこちらを向いた。
視力を失ったその瞳も、もしかして少女の寿命を伸ばした事と関わりでもあるのだろうか。
再度抱き上げてゆっくりと起こしてやると、もうあまり力が入っていない様子で身を任せている[#da=3#]。
ソファへ凭れ掛けさせてやると、少女の身体は呼吸をゆっくりと何度か吸い込んで、呼吸を整えようとしている。
隣に座ったままその様子を見ると、このまま呼吸が止まってしまうかも知れないと少し心配になる。
「なあ[#da=3#]…」
消えないで。
今度は。
静かに、その存在を確かめながら。
・・・
主人公の行く末って
掲載当初から
ずっと決まっているんですが
本当に書きたかった内容って
いざとなったら、
書きたくても表現できなくて
全然作品が前に進まない…
まだ言葉足らずの
1~3章迄の小説達が
自分達がバージョンアップ
されるのを待ってるのになー…
さて、ポチポチ続き、書きます
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