- Trinity Blood -3章
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殴り書く様にしてレポートを書き切ってからソファへ倒れ込んだレオンは、まだ猶予があるのに’別荘’へ戻ろうかと考えていた。
あんな所に戻りたいだなんて、いよいよ俺もヤキが回ったってか。
外に居ると、思い出してしまいそうになる。
身体が求めている。
あの香りを。
一度知ってしまったあの香りは、もう麻薬と同じ。
逃れられない快楽となって、理性に纏わり付いてくる。
静かな空間だから余計に神経が集中してしまう。
掴んだ左手首は細く折れそうで。
首元の柔らかい肌が唇に当たって。
鼻先で感じた耳たぶを舐め上げると、箍が外れる。
脳髄まで届く様な甘い、女の香り。
身体を押し退けようとしたあの力ない右手の感触。
露になった肌が汗ばむと、香りを一層に引き立てて。
白くか細いその身体が震える度に昂ぶった。
身体の中にその身を貫くと、掠れ上擦った悲鳴が耳に届いて。
反り上がった腰を両手は逃さなかった。
自由になった左手は口元を覆っていて。
狭く、強く、締め付ける下腹部。
とろける様な熱さにもう夢中になった。
口元で漏れる悲鳴に、喉さえ鳴らした。
腰を掴んだその手を右手が押し退けようとしていた。
その右手が震える度に、その身を突き立てた。
膨れ上がる欲求を解き放った瞬間は、もう獣でしかなかった。
どれだけ恐怖を感じたのか、今でも…考えるだけで合わせる顔だってないのに。
香り、身体、声、腰、中の熱さ、締り。
思い出すだけで身体が反応してくる。
謝罪をしても、し切らない。
なのに…全くもって、反省していない身体。
それどころかまだ、身体が求めている事に気が付いている。
思い出す度に快楽が蘇ってしまう。
下腹部が、熱くなる。
「くそ…っ」
こんな現象は、きっと’別荘’へ長く居るからだろうと思いたい。
[#da=1#]への、同僚としてパートナーとして、持ってはいけなかった感情だった。
自身へと手を伸ばしながら。
脳裏に蘇るあの木天蓼の様な香りと掠れ上擦ったあの声が、鮮明に降り立ってくる。
「…くそっ…収まれよ…っ」
求めてしまっている事が、腹立たしい。
「[#da=1#]…ッ――」
静か過ぎる空間に、返事をする筈のない誰も居ない空間で、その名を呼んだ。
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