- Trinity Blood -3章
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狂い咲く感情。
任務を早目に切り上げる事に集中し『世界一絶世の美女』に会い、短い面会時間を楽しんだ。
一方で埋まらない白紙のレポートを広げながら、盛大にため息を付いた。
先ほど会ってきた’教授’は、トレスの出したレポートに頭を抱えていた様だった。
彼は手加減を知らない子供だからね、と頭を抱えつつため息交じりに言葉を連ねていた。
トレスが加減を知らないのはよく理解している。
任務の為なら壁の破壊や、自身の損害は関係ない。
相手の生命が何とか保たれていたら任務は成功と判断している様子だった。
図書室なんて静かなところ、選ぶんじゃなかったと小さくため息。
「…参った」
神父[#da=1#]と任務を共にするようになってからは、彼が書いている事が多かった。
誤字脱字がないかだけをチェックして欲しいと言われる位だったので、久し振りに真っ白の状態から報告書を上げないといけない。
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転寝をしていた様だった。
固い椅子に座っていたからか、身体が痛い。
係りの女性に声を掛けられて目を覚ました。
係りの女性から香った香水が鼻をかすめる。
違うこの匂いじゃない。
あのむしゃぶりつきたくなる香りではない。
木天蓼の様な、気の振れそうなあの香り。
理性を刺激する、あの甘美な…――
頭を左右に振る。
鼻奥に蘇る[#da=1#]の香りを掻き消す様に頭を抱えた。
下腹部に意識が集中していくのが分かる。
「やめろよ…っ」
喉の奥で唸る。
雑念が飛び交う頭の中を吹き飛ばす様に立ち上がり、未だ白紙のレポートを雑にバッグへ突っ込んだ。
「やめやめ!」
ズタズタと足音を立てながら逃げる様に図書室を後にした。
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