- Trinity Blood -3章
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教会の朝。×
「身を清めなさい」
そういって出された白の服。
奥にあるバスルームに通されて「ここで気持ちを落ち着けなさい」と言われた。
香を焚き、優しい表情で司教は[#da=1#]の背中をさする。
ぞくりと背筋に嫌なものが走る。
任務に向けて毎日の様に体温と闘っていた日々に比べたらまだマシだといえるが、[#da=1#]の心臓は早く脈打っている。
「私は食事を見てくるよ」
「はい、司教様」
笑顔で答え、すぐに前を向く。
姿が見えなくなって気配が消えるのを確認してすぐ。
香を消し、服を着替える。
しばらくバスルームで時を過ごしてからそこを出た。
外を出ると、アジアナ・ループがそこで待っていた。
「…こちらです」
よく笑う子供だったという話なんだが。
「アジアナ・ループですね?」
弾かれた様にこちらを見る。
恐れを纏った瞳が、こちらをじっと見つめる。
「私は教皇庁国務聖省特務分室派遣執行官[#da=1#]・[#da=2#]神父です」
僅かに掠れた声で、しかしはっきりと[#da=1#]は続けた。
「貴女を保護します。明日の夜まで、我慢出来ますね?」
「ああ…神様!」
『自由』という言葉をどれほど待ち侘びたか、幼い少女はそれまで宿さなかった希望を瞳に取り戻す。
顔を覆う両手にそっと手を添えると、少女は腰元にしがみついてきた。
強張る身体。
毎夜肌を合わせて体温に慣れる様に訓練を積んだ甲斐はあったようだ。
[#da=1#]の身体は体温を受け入れる。
勿論自然に、という訳にはまだいかない。
まだ最大でも10分程しか身体が受け入れない状態は続いている。
「あと少し辛抱です。さ、私を司教の下へ案内して下さい」
「…はいっ」
*