- Trinity Blood -3章
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ここ2ヶ月間程教会へ通い、熱心な教徒を演じる少年は今日もこの道を通っている。
教会に新しく入って間もないという神父は、新しく越してきた少年に優しくし接してくれ、頼りない笑顔で話を聞いてくれる。
今日この教会の司教から「新しくこの地へ来たのだから、改めて洗礼を受けに私の部屋へ一度来なさい」と言われた。
少年は静かに頭を下げた。
つまり、この少年に目を付けたという事だ。
艶やかな青を含む黒髪は、瞳を隠している。
髪の色で映えるその白い肌は透き通る様だ。
少年は心から喜んだ。
司教が策に堕ちたことを。
トレスと連絡を取りながらどこを通るか色々道を考えたが、結果として大通りを選んで歩いている。
裏道を通れば、教会に潜入しているアベルに疑いの目が掛かると考えたからだ。
尾行けられてはいない。
気配はある。
人通りは少ないが、この辺は教会からよく見える通りだから向こうからの動きは丸見えだ。
歩いていく内に、扉の脇に小さな瓶が幾つか並んでいるのが見えてきた。
この通りを右へ曲がったら、細い脇道へ入る。
そこを通ると、もう自分の『家』は教会から見えなくなるのだ。
「[#da=2#]」
曲がったところで小柄な青年がが声を掛けてきた。
「イクス…」
「ガルシアが卿の安否を心配している。早急の帰還を推奨する」
「…え?」
返事を返す前にその場から立ち去ってしまう。
彼の背中を赫い瞳が追い掛けると、自然と先程来た道へ目が行った。
視界の端に映る教会の、大きな窓のところに視線を移していくと、誰かの視線とぶつかった。
誰かがこちらを見ている。
慎重に行動を起こさなければ。
思った矢先。
「[#da=2#]」
現在3人は『神父』である事を伏せ、一般市民としてこの町に来た事になっている。
「遅いぞ。ほら」
手招きされても、躊躇をしなくなった。幾らかの成長が伺える。
初めて会った時、一緒に外へ出る事にも躊躇した[#da=1#]をレオンは高く評価していた。
傍へ寄ると「イクスには会ったか?」と聞かれ、[#da=1#]は静かに頷いた。
「とりあえず飯行こうぜ」
自分の後ろを着いてきた事を確認しながら、歩幅を狭めてやる。
店はこの界隈では一軒しかないがこじんまりとしながらも、食事は美味い方だ。
「ところで腹減ってんのか?」
他愛のない会話をしながら、2人は細道へ入って行く。
*
ちょっと直しました…!
。