- Trinity Blood -3章
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「今日は彼らが来るからね、彼らの到着を待っていてくれるかい?」
新しい新聞を手に、教授が窓の向こうに居た[#da=1#]に呼び掛ける。
距離を置いて呼び掛けるのは今から近付くという合図。
「食事等は自由に摂ってくれたまえよ?」
少し行った先の暑い空間を遮るかのような、快適な空間。
いや、少し寒いように感じる場合もある。
外を眺める[#da=1#]の傍へ、正確には僅かに距離を置いて教授は止まる。
この距離。
そう、この程良い距離がとてもいい。
この距離を、教授をはじめ同僚の教皇庁国務聖省特務分室は絶対に忘れない。
優しく促す様な口調で「いいかい?」と笑い掛ける。
「分かりました」
静かに答えると、[#da=1#]へ向けた教授の美しい碧眼の瞳がにこり、と笑った。
「大丈夫、彼らはここに向かっているよ」
外を眺めていた[#da=1#]に声を掛けると、教授は手に持っていた新聞を手渡した。
受け取る小さなその手は年端もいかぬ幼いもの。
新聞に残った教授愛用の煙草の移り香がほのかに香る。
幼い神父が受け取ったのを確認してから、「さて、私は行くよ」と笑う。
本当は髪を撫でてやりたいのだがそうもいかない。
彼は体温にとても恐怖するから。
「是非後から来たまえ、必ずだよ?」
君が居なくては一日がとてもつまらないからね、と言ってから教授はテラスから室内へと繋がる扉を潜った。
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