- Trinity Blood -3章
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眠れないまま夜を過ごして、日が昇るのを今や遅しと待ち望んでいる。
薄暗い部屋で独りで居ると感じた途端、急に世界に取り残された気分になってしまう。
いけないとは分かっていながらもレオンの指はグラスを握る。
僅かに残った中身を一気に煽ると、大きな音を立ててテーブルへ叩き付ける様に置いた。
舌打ちを一つ。
[#da=1#]が気になって酔いさえ回らないままとうとう瓶を3本目を空けてしまった。
窓の外へ目をやってみると、朝日がぼんやりと暗闇の中から現れ始めた。
バルコニーへ抜ける扉をくぐり抜けて、ゆっくりとしか動かない朝日を睨みつける。
面会時間を待ちきれないまま、時よ早く動けと祈るようにレオンは己の拳を強く握った。
時が経つ遅さを感じながら、柵へと寄り掛かる。
ぼんやりと床を見詰めながら、以前任務でホテルへ潜伏した事を思い出していた。
バルコニーの広さは違ったが、雨が降る中で丸くなって雨を受けていた小さな神父。
風邪をひくからと無理矢理中へ入れると、レオンのその大きな手を、小さな手が力一杯振り払おうとした事を思い出した。
事情を知らなかったとはいえ自分は最低だったと思いながら瞳を静かに閉じる。
そして知ってはいけない事に気付いてしまった[#da=1#]の秘密。
正直悩んだ。
[#da=1#]の秘密にしている『偽り』と、どう向き合うのか随分考えさせられた。
しかし知ってはいけなかった、隠していた事実に対してレオンは向き合う事にした。
名を偽ってまで隠す秘密位誰でもあるし、自分だって隠している秘密は幾らでもある。
話したくなったら自分から話すだろう、と思い至ったのだ。
目を開けてバルコニーから見える時計台へと目をやると、後ろから昇る朝日の位置が少し高くなっていた。
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