- Trinity Blood -2章
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眠っているうちに朝が来るなんてここに居れば当たり前。
しかし。
ここ最近加療期間に入ったら『気が付いたら夕方』という毎日。
[#da=1#]は現在病院にて加療中だ。
「お前、あまり俺を心配させるなよ?」
先日任務を共にした浅黒の、とても一見して神父といえぬ男がそう言って僅かに寂しそうな光を瞳に宿した。
一般市民を庇って銃弾に倒れた[#da=1#]は、最後まで己の闘う術を使うことはなかった。
「[#da=1#]よぉ…お前痛い思いしたくないなら俺の後ろで大人しくしてればいいのにって…これ前も言わなかったか?」
体温を感じる事に恐怖する[#da=1#]にレオンは決して触れなかった。
消えゆく意識の中トレスに抱きかかえられた[#da=1#]にそれだけ言ったレオンは、結局[#da=1#]が意識を回復した時には病院には居なかった。
人の体温を感じる事に恐怖する[#da=1#]に気を使ってか、レオンが彼に触れたのは記憶にあるだけで3度だけ。
いい加減に体温から逃れる本能に、自分から慣れる必要がある筈。
黙って待ってくれているスフォルツァ枢機卿にも申し訳が立たない。
温もりは心にあると説く教授。
人の温もりは必要だと説くアベル。
「優しさを持たない」といったトレスにも優しさが十分にあることは分かっている。
レオンは「温もりを教えてやる」と言った。
白く無機質な天井を眺めていると、[#da=1#]の右端の視界に点滴が見えた。
…また点滴の色が違うな
普段は大体が6本だけなのだが、集中加療中に体調が著しく悪い時には一日11種類の点滴を打つ。
その影響で集中加療期間中はほとんど眠ったりぼんやりとしたままベッドで横たわっている。
今回見た点滴で12種類目。
日々こんなに打ち続ける人間なんているのだろうかと疑問に思いながら、[#da=1#]は再び瞳を閉じた。
暗がりの中で、ふいにレオンの言葉を思い出した。
「さってと…この続きはあと1分後の祭が終わってからにするか」
瞳に映された白と黒の景色。
あまりの美しさに人との距離すら忘れて眺めていた。
そこで[#da=1#]ははっとして眼を見開き、その場で2、3度瞳をしばたたかせた。
「眼…っ?!」
ついに[#da=1#]は起き上がったが、点滴の影響で強い眩暈に見舞われてそのまま再びベッドに力なく倒れ込んだ。
あの時…眼を?
自分の、血の様に赫い瞳を見られたのではないかと不安に襲われながら、点滴の影響で再び遠のいていく意識。
「 」
結局そのまま意識を奪われ、[#da=1#]は強制的に眠りについてしまった。
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