- Trinity Blood -2章
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いつもより時間を掛けているような気がしてきた頃、耳元で微かな機械音が聞こえてきた。
普段より音が少し大きく聞こえたのは、室内にいたからだろう。
『あ、[#da=1#]さん?』
「…ナイトロード神父?」
表面では明るい、しかしやや暗い表情が伺える。声だけなのに、何故ここまで読み取れてしまうのか。彼は解りやすい。
更に奥に秘められた何たるかを読み解く事は出来ないが、普段の彼の言動は至って簡単に読み取れるのは、年は離れているが同僚として有り難い事なのだろう。
『実はですね、近くに来てまして…その』
実に言いにくそうにアベルは向こうで口ごもる。
近くに来ているというならば本来なら迎える準備をするのだが、些か声色が悪い。
「…私用の通信ですか?執務規定に触れます」
『あ、違いますよ!そうではなくてですね…すみません、実はその』
勿論、聞いてみただけ。
アベルから通信が入った時、どこか期待したのかも知れない。
「すぐ準備します」
任務という一言が出てこない、心が優しい、優し過ぎる彼の心は良く解っているつもりだ。
現実受け止めるには早いという事なのだろうか。
新聞をテーブルの端に寄せながら[#da=1#]はどこか安心したような表情を浮かべた。
急な任務の召集が掛かった為に次のページを開ける事は無かったのだが、次のページには自分の街の事が書かれた記事が一面に広がっているのかも知れないと思うと内心ひやりとする。
「主よ…」
「私にはやはり、まだ早いのかも知れませんね」と心の奥で呟いてから僧衣を掛けたロッカーの取っ手に手を掛けた。
***
人は周りが思ってる以上に「自分はなかなか成長出来ない」と考えがちではないですか?
たまに自信過剰な方もおられますが、それは抜きにして…
管理人の周りもそういう方が大勢います。
でも成長する事が必ずしも大人になるという事に繋がるという訳にはいかないと思うんです。
受け入れることが大事な事だとばかり考えてはいけません。
受け入れない事もまた成長だと思いませんか?
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