- Trinity Blood -2章
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「君は特別なお茶会仲間だからね」
[#da=1#]がその言葉に疑問に思うのは当然なのだろう。
自分が『特別』と言われると戸惑いを隠せない。
それに『特別』など、何の意図があるのだろうか。
『ワーズワース神父…』
その問いかけを待っていたかのように、’教授’は笑った。
「それはね[#da=1#]君…」
しかし、その質問に答える事は無かった。
何故なら少しでも長く君に自由で居て欲しいから。
普段研究所のモルモットとして、その身を提供している幼い少年。
誰かの力に、誰かの病気を治すきっかけにと、副作用に苦しみ時に痛みを伴う実験にも耐えている案件も多い。
突如として少年に宿った能力は、一体何を意味しているのか。
自問自答を繰り返している時期もあった様だ。
この謎の解明も同時に進めている。
彼の能力は人への治療も可能だ。
しかし彼の能力は少しずつだが本人の生命を削っている――
生命が能力の糧になっているのではという見解がある。
その見解を示しているアーチハイド伯爵は、DNAの配列、構造、解明について熱心に研究行っている人物。
[#da=1#]を自分の養子として迎えたいと何度も繰り返しカテリーナ・スフォルツァ枢機卿へ打診している、油断ならない人物である。
もし仮定として、この能力が生命を糧にしたものだとすればあまり積極的に使って欲しくない。
しかし[#da=1#]の事だ。
必要になった場面では、その能力を惜しげもなく使ってしまうだろう。
普段の生活を人に捧げている時間でさえ、誰かの為。
例えその、人に捧げている時間が己の意思だったとしても。
街を眺めるのが、古新聞を読むのが、時や人の流れを見るのが好きな幼い同僚に少しでも自分の生きるその時間を大切にして欲しい。
いや。
彼の寿命はあまり長くないと聞いている。
あれこれ望まない事だ。
望みはまだ幼い少年を追い詰める。
早く顔が見たいだなんて、言えない。
「待っているよ」
目をやった先。
ちょうど門から離れた広い通りに、前髪でその瞳を器用に隠した幼い神父が歩いてくるのが見える。
「お帰り、[#da=1#]君」
くわえたパイプを口元から離して息を吐くと、甘い香りのする煙が天井に向かって昇っていく。
ふと見えた小さな赤い包みの様なもの。
「手元に持ったその小さな箱の中身を教えてくれたまえよ?」
今日が何の日か分かっていたからこそ、その箱が意味するものは何か大体の見当はついたが、是非彼の口からその小さな包みの事を聞きたい。
こちらに歩いてくる[#da=1#]の姿を見ながら’教授’は口元を緩ませた。
……………………………
以前限定で置いていた
バレンタインフリー夢を
「更新おしらせ」せずに
置いてみました
気が付いた方
たまたま入った方
これが
良かったといえるか
そうでないかは
見てしまった
あなたにお任せします*
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20220208加筆修正を行いました。