- Trinity Blood -1章
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小さな機械音、相手にこの音は届いていない様だ。
「起きたなみたいだな。早速吐いて貰おう」
「卿の質問の意図は不明だ。吐気も嘔吐物もない。機能は正常だ質問の再入力を要求する」
しかし、トレスの質問には答えない。
それどころか、勝ち誇った様な笑みを浮かべた男がこちらへ近付いてくる。
「あ?お前今自分の立場が分かって無い様だな。そういえばさっき、お前とは別の子供みたいな神父が入ってきたけど、お前さんのお友達ってか?」
男がこちらへ近付くより僅かに早く。
地形の分析が完了した。
「今の発言から、[#da=1#]・[#da=2#]神父、コード’リジェネーター’と推測」
「あ、なんだって?」
男性の声が苛立った様な声色になる。
「吐かないつもりだな?ふざけんなこの野郎!!」
周囲が飛び上がりそうな位の大声で目の前にいる美しく顔の整った小柄な神父を一喝する。
「血圧、脈拍、体温の上昇を確認」
近付いてきた男の腰元に付けられている銃を確認。
「45口径の拳銃を確認」
言うや否や。
男が腰に付けていた45口径の拳銃を一瞬の内に奪う。
「な…?!」
大きな破裂音と共に男は赤い液体を撒き散らして崩れ落ちた。
その様子を見ていた扉から距離531㎜の見張りと崩れ落ちた男から右斜め、距離にして721㎜の男が銃を機械人形に向ける。
「0.86秒遅い」
「…ぅ!」
「ぐぁっ」
痙攣の様にビクビクと震えて崩れ落ちた見張りと、空しく天井を切り裂いただけの弾を見ずに目を見開いたまま机に突っ伏した男の生命機能──心臓が停まるのを確認し、トレスはその手に持っていた銃を降ろした。
残りの2人は悲鳴と共に逃げ出そうと背中を向けたが「1.38秒遅い」と、声と同時に撃ち抜いた。
「敵生体5体の沈黙を確認
戦域確保──作戦を再開する」
最初に屍となった1体と、次に屍となった4体の計5名の持ち物を確認し、必要なものを入手し扉を開ける。
「[#da=1#]・[#da=2#]神父の現在地を確認する。検索を開始する」
通常、人では聞き取れないほど小さな音が頑丈な壁の向こうから聞こえて来た。
それは聞き慣れた音。
「 」
それに混じって数人の人の声が聞こえる。
「集音したものを[#da=1#]・[#da=2#]神父の武器と認識。これより合流する」
扉に向かう。
リロードを含めた銃弾の数は僅か38発。
使う場を慎重に選ばなければいけない。
「[#da=1#]・[#da=2#]神父の保護を最優先事項とする」
今回の任務は、3人が同時に同じ事柄を行わなければならない。
「彼は今回の任務に不可欠の人材だ」
3人一組の仕事だ。
トレスは機械音と共に迷う事無く[#da=1#]の居る方へと歩き出した。
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