- Trinity Blood -1章
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まっしろな
まっしろな
世界に
立っていました
旅人は
ゆっくり
ゆっくり
歩き出しました
山を越え
谷を越え
あちこちの
白い世界を
でも
旅人はある日
世界が
赤くなり始めた事に
気が付きました
旅人は
世界が
赤く
染まり始めてからも
ずっと
ずっと
旅を続けていました
そしてある日
泉に映った
自分を見て
悲鳴をあげました
世界が
赤く
染まったのではない
自分の
自分の瞳が
赫く染まっているのだ
旅人は
美しい世界が
赤く染まっていたのが
自分のせいだったという
怒りと
悲しみで
しばらく泉の傍にいた
でも
旅人は
旅を続けて
この世界の
全てを見たいと思った
旅は
旅人によって再び始まる
・
レオンはいつの間にか自分が起き上がっていた事に気付かなかった。
「…お前――」
静かな時間が流れる。
目が合っている。
レオンには確信があった。
前髪に器用に隠れたその瞳。
何を言われるのかと、警戒をしている様な少し怯えた瞳が間違いなく今、レオンの方を向いている。
「お前その…それ、お前が考えたのか?」
しかし予想に反して。
レオンは違う事を言った。
予想に反した言葉にやや拍子抜けした表情を見せた。
戸惑いながら「ま、まあ…でも今、話をしろと…」と返事をする。
「お前凄いな!」
まただ。
体格や年齢に見合わないなんて言ったら失礼かもしれないが、レオンが向けるこの表情。
子供みたいなこの笑顔。
警戒心が拭われていく様な…?
「え、あ…光栄で、す?」
眩暈さえする。
脳裏に蘇るアベルの台詞。
それは、レオンと初めて任務に赴く際に言われた言葉だった。
「レオンさんには気を付けて!いいですね!いつもの様にトレス君の傍に絶対いて下さいね!」
突然大きな声で言い出した事。
レオンに聞こえる様な声で。
しかし、訪ねてきたアベルは一番最初に別の言葉を投げかけた。
まるで祈りの言葉の様に静かに。
巡ったその言葉を思い出しながら。
「世界一の美女に聞かせたいところだ…」
愛しい愛娘へ、思いを馳せてるその瞳。
美しく揺れた金色の瞳を、[#da=1#]は瞳は見逃さなかった。
…………………‥‥・
何だかよく分かりませんが、[#da=1#]とレオンに少しだけ進展があったのではないかと思います。
これから一体どうなるのでしょうか??
長らくお待たせして、久々の更新でした
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20210829
加筆修正を行いました。