Thriller
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・・side yuchun・・
「やっぱりその話だったんだ」
強張る彼女の表情を後ろから覆いかぶさるように盗み見て、怪訝な表情をされる。
「冗談だったんだけど気になった?ごめんね」
「……別に、」
「女なんて居ないっすよ、たぶん」
「………」
「…不安?」
最後の台詞だけ優しく聞くと、彼女が少しだけ見上げてまた目を伏せた。
中の雑巾ごと握り締めた真新しいビニールの袋が、グシャ、と音を立てる。
「ほんと居ないっすよ。たぶん…」
「…でも、ユチョンなんで女のとこって言ったんだろうねって言ったらチャンミンすごく焦ってコップ落とした」
いつになく長い台詞。
なまえの自己主張が垣間見えた。
ああ、やっぱり彼女は不安なんだ。
チャンミン、信用されてないな。
こんな俺の言葉に動揺して手を震わせてるよ。
「…考えすぎってことはないの?」
「分からない。私、恋人、居たことないから…」
「…チャンミンが初めてなの?」
頷く彼女は恥じ入りもしない。
彼女にとってはおかしな事では無いらしい。
まさかとは思っていたが…まさかだ。
チャンミンの今までの彼女の中で、どうしてなまえだけがこんなに大事にされてるのかと疑問だった。
そうか
だからか。
摘まれていない綺麗な果実なんだな。
…だからか。
摘んでしまいたくなるのは。
俺は今や自由自在に体を駆け巡る嗜虐心を止める気も無く、その快感に身を任せていた。
舌なめずりをする俺の心。
目の前には、今にも俺の口の中に落ちてきそうな、熟れた赤い実。
「なまえ」
「……」
ゆっくり見上げた顔を、今度は帰っていかないよう片手で押さえた。
手のひらから最高潮に達した緊張が伝わる。
俺の体とドアとの間で、体重をかければ
「…信じられないなら、チャンミンやめたら?」
「……っ」
きっとこの赤い実は
「真っ赤だよ?…もしかしてドキドキしてる?」
「離し…」
いとも簡単に
「やだ。なんで?」
「離してっ…」
弾けて
「うるさいな…黙って…?」
「ぁ…~~っ」
お ち る
「ただいま~…っうわっ!!」
「~っ!!!」
「!?」
…はず、だったのに。