Thriller
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・・side changmin・・
「…はあー…」
深いため息がこれで3回目。
どうしたんだ僕。
らしくない。
彼女の僕に対する笑顔は日に日に増していくのに
僕の彼女に対する笑顔だって同じ事が言えるのに
なぜ、不安を感じるんだろう?
出会ってから今までずっと、彼女の心を最優先にしてきたつもりだ。
繊細な彼女には僕の寡黙な部分や不躾な部分は余り見せないようにしてきた。
優しく、ひたすら優しくしてきた。
だからこそ僕の告白は成功したのだし、彼女は僕にだけ警戒心を抱かないでくれる。
彼女の中に僕の居場所ができていると自信を持っていいはずなんだ。
…なのに僕はついさっき
彼女の口から「ユチョン」と名前が出ただけでありえないほどの動揺を感じた。
持っていたコップが急に床に引っ張られて落ちていったので、彼女に悲鳴を上げさせてしまった。
「……はあー…」
無様なコップの残骸を見下ろして4回目の深いため息。
さっき見たユチョニヒョンの笑顔が閉じた瞼の中で僕を嘲笑う。
あの笑顔に感じた怖気は、実は僕の自信が一方的で空っぽだっていうことの表れなんじゃないだろうか。
ユチョニヒョンのああいう冗談は今に始まったことじゃないし、なまえがああいう冗談に固まるのだって予想の範囲内だったのだから、恐れることではなかったはずなのに。
…もっと信じて欲しかったな、とは、思ったけど。
5回目のため息をつく。
なかなか帰らないなまえに気付いたのはさっきより5分進んだ時計を見た時だった。
タオルの場所が分からないんだろうか。
分からなければ聞きに来ると思っていたけれど…
それなら付いて行けば良かったのに、それすらできなくした自分の動揺に舌打ちで嫌悪を示す。
そういえばユチョニヒョンは何をしているんだろう?
わざわざ彼の部屋まで聞きに行ったりはしないだろうけど…。
ザワ
何かが背筋を通った。
思ったより心もとない自分に気付く。
それでも怖気を感じたとは認めたくなくて
なかなか進まない時計の針を見つめながら
ただひたすら
彼女がドアを開ける音を待った。