Thriller
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・・side yuchun・・
さっきのチャンミンの顔。
チャンミンがかばっているつもりの彼女とそう変わらない、警戒心まるだしの表情に
俺はなんだか喜んでしまった。
どうしたんだチャンミン。
らしくないな。
…俺も意地が悪いけど。
閉め切ったチャンミンの部屋のドアをチラと見て、また含み笑いを噛み殺す。
どうしたんだ俺。
らしくないとは思わないけど。
…ちょっと、嬉しがりすぎじゃないか。
リビングのソファに寝転び、テレビを消して携帯を開けた。
俺とチャンミン、なまえ以外に誰も居ない今日の宿舎は、テレビを消せばすごく静かで
聞こえてくるのは、細く、くぐもった二人の話し声とチャンミンの部屋に流れるBGMだけ。
俺は携帯をいじくりながら さっきのなまえとの会話を反芻した。
チャンミンに女が居ると言った時の不安げな顔が合わせて蘇る。
ゾク
何かが背筋を通った。
思ったより昂揚してる事に気付く。
そんな俺を妄想から引き戻す小さな悲鳴が聞こえて、反射的に体を起こした。
慌てて部屋を出て来て、後ろ手にドアを閉めたなまえと目が合う。
俺は笑いかけるのも反射でこなした。
「………」
あ、と口を開けて、彼女が少し笑む。
さっきの笑顔が効いているのか今日はもう警戒が無いようだ。
だけどなにか少し物足りない。
「あの…タオル、どこですか?」
「タオル?なんかあったの?いま声…」
「チャンミン、コップ落としちゃって…飲み物が床に…」
「あーあ…こっち」
俺は携帯をソファに投げ出し、自分はソファから降りて洗面所の方へ手招きする。
警戒心をかけらも持たずについてくるなまえ。
その足音が徐々に近くなるよう、うまく歩幅を縮めながら前を歩いた。