Thriller
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・・side yuchun・・
玄関のベルを鳴らしたのは、たった一人でここまでやって来た 弟分の彼女。
最近付き合うようになったらしいこの彼女の為に、チャンミンはついさっき買い物に出かけた。
今までの彼女にだって優しい男だったが、わざわざそこまでするのは見た事が無い。
この宿舎に直接呼んで会う、というのも彼女が初めてだ。
「チャンミン帰ってないっすよ?」
「…え、…じゃ…電話してみま…」
「…携帯もつながんないかも」
「え」
「たぶん女んとこっすね」
「え、」
なまえの表情が曇る。
おいおい。信用されてないなチャンミン。
「…信じた?」
「………え…」
「…ふ、さっきからそればっか」
「……え?」
「ほらまた。…え、しか言えないんすか?」
「………」
俺のひやかしを含んだ冗談から悪意を感じ取ったのか、警戒心むきだしの表情で黙り込んだ。
どうもこのなまえという女性は感情を言葉にするのが下手らしい。
何度か会話したけれど黙り込むことは珍しくないし、そんな時には日本語のネイティブじゃない俺の方がよく喋っている。
うまく会話をもっていけば笑顔を見せてもくれるのだが、今日の俺の冗談は笑えるものじゃなかったらしい。
まあ、彼女は会うたびに始めの5分くらいは緊張か警戒か分からない空気を出しているのであまり気にはしていないのだが。
正直、そういう彼女の様子が俺は嫌いではないし、楽しんでさえいると自覚している。
でもこのままではそろそろ警戒から敵意に変わるのではと彼女の表情を見るうち思ったので、優しい笑顔で中に促そうとした。
そのタイミングで、廊下の方へ押し開けていたドアの後ろから声がする。