Thriller
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・・side yuchun・・
さんざんユノに絞られた後、ジェジュンの助けもあってようやく俺はリビングへ解放された。
もうしません、と書かされた念書をチャンミンとなまえが出てきたら改めて謝り渡すように、とのお達しだった。
あーあ、あと少しだったのに。
念書をポイと投げ捨て、ソファに寝転がったまま携帯にたまったメールを確認する。
今更ジェジュンの帰るメールに気付いてため息をついた。
「はあ…」
あの瞬間、付け入る隙は完全に俺の目の前にあった。
邪魔したいと思ったのは確かに衝動だったけど、あの瞬間の快感に勝てる奴なんて居るもんか。
ユノだってあの状態になれば…
…まあ、まずあの状態まで持ち込めないだろうけど。
あの状態になって初めて分かったこともある。
なまえは、チャンミンとの間に足りていない「何か」を探していたんだ。
優しく大事にされることで感じる幸せが恋愛の全てじゃない。
だけど経験も知識も無い状態じゃ、今の状況に何が足りないのか分からなくて…
ずっと戸惑っていたんだろう。
恋愛に潜むスリルを知らないで今まで生きてきたんだから。
「…………」
目を閉じて、あの時触れかけた唇の記憶を想像の中で呼び戻す。
間近に見た、警戒心をむき出しにするわりには無防備ななまえの顔。
唇が触れかけるその瞬間にさえ戸惑う、紅潮した頬。
涙を溜めて揺れる双眸。
彼女で埋め尽くされていた視界の記憶をギリギリまで再生して
ユノがドアを開くその前に目を開ける。
「………」
天井しか見えない。
「…やばい」
俺は気付いてしまった。
もうすでに俺はあのスリルの虜で
あの続きが欲しくて仕方ないんだって事実に。
「…ユノの説教なんか関係ないな」
ほったらかしていた念書を一瞥し、グシャ、と潰してまたテーブルに捨てた。
俺は優しい優しいチャンミンと違って恋愛の中でもスリルの部分をもっとも好むタイプなのだ。