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雑誌の束をマンション前の指定の場所におき、眩しい空を見上げる。
起きた時には少し暗かったのだが、今は雲も色を明るく変えていた。
風も冷たくはないが、なにより陽射しが暖かい。
久しぶりに履いたパンプスは足の甲までは隠してくれないけれど、このぶんならもうブーツはいらないなと帰ってからの掃除の計画を改めた。
クリーニング屋ではいつものとおり、意外と散財した。
カウンターで金額を聞くたび、そうだった、高いんだった、といつも思うのだが、この経験がなかなか次に生かされないのだ。
心なしか軽くなった財布をポケットに入れ、近くの小さな商店街を歩いた。
さほど遠いわけではないのだが、駅を挟んだあちら側にはオフィス街があるものの、こちら側にはこの小さな商店街しかない。
会社の休憩でこのあたりまで昼食をとりに来る人はまれだ。
どこに入ってもそこそこ空いているのは確かだが、なかでも入ったことの無い店を、とランチメニューの看板を見て歩く。
けれど「お」と思って立ち止まるのは、いつもこの店だ。
今日のデザート・抹茶プリン
その注釈を見るや、条件など捨てて店のドアベルを鳴らし、中に入った。
とはいえランチ自体はいつも代わり映えせず、前回食べたセットを避ければ選択肢は二つしかない。
一番古い記憶で食べた覚えのある、チキンのセットを選ぶ。
ああ、そういえば今晩は鶏肉を片付けてしまおうと思ってたのに。
魚にすればよかった、と思い立ち上がるが、忙しそうなので訂正はせずにおく。
店の入り口付近におかれたマガジンラックから雑誌を選んで席に戻った。
そういえばそろそろ新刊の出る頃か。
捨てた雑誌の発売時期を思い出して携帯を開けた。
食べ終わるだろう時間帯にスケジューラでアラームをかける。
『本屋』
忘れることは無いだろう。