Proof
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確かにここにあるのに、僕と貴女の間にあるものが掴めない。
僕がどんなに手を伸ばしても
僕がどんなに指を開いても
爪先にすら触れることのない
僕が 貴女との間に 求める もの
・・・・・・・
Proof
・・・・・・・
「僕が最初になまえさんに出逢った時、なんて言ったか覚えてる?」
問いかけた僕に首を傾げて振り返る彼女の髪が、信じられないほど甘く香る。
冷静を装って彼女の髪が腕に触れるのを見送った。
今すぐに抱きしめたいと思う衝動を我慢している。
「…印象がそんなに良くなかったのよ。だからきっと失礼なことだったんでしょう」
「ひどいな、覚えてないんですか?」
日本人の風貌なのに、彼女のハングルは凄くきれいだ。
以前に誰から習ったのと聞いた時、彼女は笑うだけだった。
その態度に思いのほか深く落ち込んだので、それきり僕は彼女の過去を見透かそうと思うのをやめた。
未だに僕は、いつから彼女にこんな感情を抱くようになったのか分からない。
もしかしたら、最初から…だったかもしれない。
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