Opposite
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「ほらあ見ってえこのメール…」
「………うるさいですよーぅ」
「ほら、これ。『TVで見たジュンスの顔がすごく腫れてました。休ませてあげて下さい』ってえ!はっはは!」
唯一、僕が泣いてた理由を知ってるジェジュンヒョンはことあるごとに僕をいじってくる。
僕宛のファンメールなんていつもは見ないくせに、わざわざ事務所から探して来たらしい。
「あんなに泣いてえ、もーよくなったあ?」
「……」
「よしよし、男だ!」
ジェジュンヒョンは僕の失恋を知ってから、僕が部屋に一人で居るとよくこうして話しかけに来る。
気を遣ってくれてるんだ。
パソコンを見ながら僕はヒョンに反応しないようでいて、ほんとは少し落ち着いてる。
「…ジェジュン」
「んー?」
「ありがとざいます…」
「はっはは、なにぃ急にぃー」
ううん、と僕は首を横に振って、少し悲しくなる。
ヒョンにはこうして言えるのに、どうしてなまえには言えなかったんだろう。
ほんとは
ほんとはもう分かってるんだ。
呪いや魔法なんかじゃない。
僕が彼女に憎まれ口をたたいたのは、悔しくなるほど好きだから。
人には見られたくなかったんだ。
彼女に骨抜きのみっともない僕の姿だけは。
だってどれほど駄目になれるだろう。
僕はなまえに会うたび、心の全てを空っぽにして彼女で満たしたいと思っていた。
眠る彼女の頬に触れるだけで、僕はどこまでも気持ちを募らせた。
…でもそんな大切な想いももう、彼女に届くことはない。
それがどんなに悲しいことか。
もっと早く分かっていたら、ユチョンが彼女を射止める前に彼女に告げられていたんだろうか。
…分かっていたら、なんて言う時点で男らしくない恋愛から抜け出せてないんだ。
もう、忘れなきゃ。
なまえのことも、こんなダメな僕の恋愛も。