Opposite
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謝らなきゃいけない。
泣かせてしまったこと。
ごめんて言わなきゃいけない。
でもそれよりもっと言わなきゃいけない。
できるならこれは、ユチョンより早く。
スタジオの前に立った僕は、ユチョンがなまえを連れて行った方に曲がる。
こっちには確か非常階段があった。
前来た時にもあまり使われてなくて…見つけた時にユチョンがいやらしい笑い方をしてたのを思い出す。
「……の?」
「…………」
非常階段に進む重そうな扉の前で僕は立ち止まった。
中からかすかに響く声。
…ユチョンだ。
扉に手をかけたところで中から聞こえたなまえの声に、僕は力を込めるのをやめた。
「…好き」
…好き?
好きって、今…言った?
「…そっかあ…」
「…なにニヤニヤしてんの」
「やーなんか…うれしーなーて思って」
ユチョンの嬉しそうな声。
僕の手から、力が抜ける。
「ニヤニヤすんのやめてよ、なんか恥ずかしい…」
「なんで?好きって言ってくれてうれしーのに」
「…言っちゃだめよ、誰にもよ」
「言わないっすよ、二人だけの秘密ね」
いつになく甘いユチョンの声が聞こえて、僕は
遅かった と悟った。
僕が彼女を何度も悲しませて
勝手に傷ついて泣いてるうちに
彼女はユチョンを選んでしまった。
あれだけ優しいユチョンだし、僕がさんざん彼女を傷つけたんだ。無理もない。
しかもユチョンが本気になったんなら
…僕が今からどうしようと思ったって、どうする事もできない。
僕は抜けた力を戻すこともなく、そのまま扉の前を立ち去った。
戻った楽屋でジェジュンヒョンの顔を見たら、またボロボロと泣いてしまって。
ユノヒョンとチャンミンがメイクさんを連れて来るまでの間泣き伏していた僕は、メイクさんにさんざんな文句を言われた。