Opposite
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「またケンカしてんすか」
「またケンカしてんすよ!もーせっかく寝てたのに起こすしこの子は…」
「あー…」
「あー?」
「なまえ、寝不足ぅ?ここ、クマぁひどい…」
ユチョンが##NAME##の目の下に指先で触れた。
同時に片頬を包み込むように手のひらで触れている。
「めっちゃ寝不足。それをね、この人はゴリラに似てるし丈夫だから平気だろってね」
「かわいそーにぃ、…ジュンスぅ、起こしちゃだめ!」
「……ゴメンナサイ」
なまえに指をさされ、ユチョンに「めっ」をされて、僕はしぶしぶ認めて謝った。
こんなの見せ付けられたら、反論する元気なんて出ない。
どうしてユチョンはそんなに女の子に優しいんだろう。
なんのてらいも無くすんなり笑顔を見せて、相手のパーソナルな部分に滑り込む術をユチョンは知っているようだ。
なまえも笑顔だし、いっさい警戒心を抱いてないのが分かる。
抵抗もせずユチョンの手を受け入れていた。
だんだん僕の胸の中が悪くなっていくのを感じる。
「はいはい、ほんと口だけだからジュンスは…」
そこにきた、僕の「ゴメンナサイ」に対するなまえの感想が決定的に僕の胸を悪くした。
「…そんなんだから恋人ができないんですよーぅ」
「はっ?なに!」
僕の憎まれ口に対して、ケンカ売ってんの?となまえがわざとらしくケンカ口調で返してきた。
ユチョンがとたんに顔をクシャクシャにして笑う用意を始める。
「恋人できないとしたらアンタらのサブマネって仕事のせいですから!」
「僕らのせいじゃないですよー!なまえが女性のような感じでないからですよー!!」
「はあ!?」
「悔しいだったら恋人作ったらいいんじゃないんですかあー!」
売り言葉に買い言葉、という日本語をこのあいだ覚えた。
僕はその日本語の意味を今やっと理解した。
これ、教訓じゃないか。
でももう遅かったようで
なまえが「ほほーう」という顔で、僕より低い位置からどうやってか、見下されているように感じる目線を投げかけた。
「はいはい、女らしくしますよ。恋人作りますよ」
分かりました、と言ってなまえが部屋を出て行く。
もう一度部屋のドアを開けて、吐いたツバ飲まんとけよ!と言った。
意味が分からずに僕は「吐かずばなるまい!!」と返した。
ユチョンがお腹を押さえて、これ以上無いというくらい笑っている。
またやってしまった。
ユチョンが笑っているくらいだから本気のケンカなんかじゃもちろん無いけれど…
僕はこんな風に彼女と喋りたいわけじゃないのに。
そんな事で後悔していたこの時の自分を、この後、更に悔やむ事になるなんて。