Opposite
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「ジュンス、ごめんね」
「…なんで謝るですかっ?悪いのはあの人じゃないんですかぁ」
「あたし、前にあの人と喋ったとき、ちょっと落ち込んでたから」
「………」
「ちょっと可愛いねーとか言われて喜んじゃったっていうか…」
あの時、なまえを落ち込ませたのは僕だ。
僕が彼女の姿を素直に褒めなかったから。
ああ、そうか。悪いのはあの男じゃなくて、僕。
「…なまえ、ゴメンナサイ」
「はっ?なんでジュンス謝るの?」
スタジオの入り口で立ち止まり、謝った僕に、なまえは本当に想像もしてなかったという顔で驚く。
そうだ、前は言えなかったんだ。
前もこの場所だった。
前と同じだ。
でも今はもう、すんなり言葉が出てくる。
傷つけてしまった事を謝れる。
だって何度も何度も繰り返したんだ。
あの時謝っていれば
あの時素直になれていれば。
そう、何度もこの場面を繰り返した。
「僕が、なまえにひどい事言ったから、なまえ落ち込んだんじゃないんですかあ…」
「あ、いや、まあ…あの…」
「でも僕、それ謝ろう思って、でもできなかたから、イライラしってたんですよぅ…」
「え……、う…ん」
「だから、ナンパされて何喜んでるんだろう思って…怒って…ゴメンナサイ」
「…ああ…あー…そういう、こと…」
僕が頭を下げて謝ると、正面にあるなまえの顔がほころんだのが分かる。
声が少し柔らかくなっていた。
「もう、いいじゃんそれは…もうあの人も声かけてこないと思うしさ」
「話しかけるな、言いましたから」
「うん、言ってた、ちょっと笑いそうんなっちゃった」
顔をあげると、そのとおり、笑いそうな顔で僕を見ている。
ああ、胸が
今までにないくらい、大きな音で鳴ってる。
もう胸が破けてしまいそうなくらい、「なまえ」とハッキリ叫んでいる。
瀕死の恋が
最期の力を振り絞ってるのが分かる。
でもダメだ。
ここで屈しちゃいけない。
もう黙って、もう、なまえを呼ばないで…