Opposite
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そのスタジオはついこの間も来たところで、ジェジュンヒョンは駐車場に入る前あたりから僕を気にかけてくれていた。
大丈夫。
僕は笑ったけれど、ジェジュンヒョンは困ったような顔で後部座席から僕の頭を撫でる。
ユチョンは横からどしたの、なに、と僕とヒョンの顔を見比べていた。
助手席から降りたなまえが後部座席のドアを開けて、僕らが降りるのを待っている。
僕が真っ先に降りた後、一番後ろの3人に譲ってユチョンが最後に降りた。
そのままユチョンがドアを取り、勢いをつけて締める大きな音が駐車場に響く。
ありがとうと言ったなまえにユチョンが耳打ちすると、なまえは真っ赤になってユチョンの背中を叩いた。
ああ、また胸の内側から音がする。
僕は胸に下げた入館証を握り締めた。
これを握って走ったあの日、僕はどれだけバカなことで悩んでいただろう。
綺麗になったなまえに素直に可愛いと言えてたら
泣かせてしまった時にごめんと言えてたら
なまえがユチョンを選ぶより早く、好きだと言えてたら
ここはあの二人の思い出の場所じゃなく、僕となまえの思い出になっていたかもしれないのに。
あの日走り抜けた道をゆっくりと歩きながら、僕はいつの間にか泣き出しそうなくらいに心を高鳴らせていた。
もう、無駄に胸を叩かないで。
出てこないで。
言い聞かせる声が力無いからか、胸の音がうるさくて仕方ない。
ジェジュンヒョンの心配そうな顔に甘えて、僕はジェジュンヒョンの後ろに隠れるようにして楽屋まで歩いた。