Opposite
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ジェジュンヒョンの褒め方はなんだかくすぐったい。
「ほんっと、男だなぁ」
なにもかも知っているジェジュンヒョンは、頭を撫でて称えてくれている。
前までは泣いてばかりいた僕を「変わった」と認めてくれる。
「なまえ、可愛くなったんじゃないですかあ」
「んー、なった」
「あれがぜーんぶ、ユチョンのせいですよお」
「んー…」
「僕は、泣かせるしかできなかったですよ」
「……そう?」
そう。と僕は頷いた。
だからもう、
ユチョンが彼女と話すのを見るたびに。
ユチョンがこっそり出る携帯の着信が彼女からの電話と分かるたびに。
彼女が、ユチョンに笑いかけるたびに。
ジェジュンヒョンに慰められ、泣くこともなくなった。
ユチョンともなまえとも、変わらずじゃれて言い合ったりしている。
「もー好きじゃない?」
「好きですよぅ、でも、ふったりとも好きだからぁ」
「あー…」
「ユッチョンよりはなまえのほうが好きですけど、好きだからぁ、我慢できる…」
言い終わりが力無いとジェジュンヒョンは笑ったけれど、僕の言いたい事は伝わっているらしい。
「もー、そんなすっきだったらなんで早く言わないのー…」
「もーいいんですよぅ、なまえにはユチョンがいるんじゃないんですかあ」
ジェジュンヒョンはまた、よしよしと頭を撫でてくれた。
僕はジェジュンヒョンの優しい手に、あの日僕らを撫でた風を思い出す。
それと同時に僕の胸の中から聞こえた、ノックのような音。
あの日から何度となく聞こえているこの音を遮るように、僕は胸に手を当てた。
静かにしてて。
心に呟く。
大人しくならない僕の心の中だけは、あの日からずっと、今ではもう瀕死の声で
「なまえ」と叫び続けていた。
弱っていく僕の恋心。
ああ、神様早く、生まれ変わらせて。