I spill milk again
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早く送らないと。
ため息の後、送信ボタンに手をかけてからゆうに10分は経った。
自分の意気地の無さと戦うのがこんなに大変だなんて。
「ただいまー」
「おお、おかえりい」
後ろの扉が開いて、ドヤドヤと3人が帰ってくる。
ユノが笑顔で出迎えて、控え室の空気がすっと明るくなった。
「次、ユッチョンの番ですよーぅ」
「ん…ジュンス汗すご!」
いい汗を輝かせるジュンスに促されて携帯を閉じた。
「ジェジュンとチャンミンが邪魔するからー、カリスマするのは力がいりますよーぅ」
「ジュンス、すぐ笑うから、顔こんなんして…あっはは」
「ジュンスのカリスマはその程度ですよー」
ジェジュンとチャンミンもジュンスを笑わせるのにどれだけ力を要したか伺える汗だった。
俺は3人の様子につい笑ってしまう。
能天気すぎるところもあるけれど、みんなこうして明るく仕事頑張ってるんだ。
ユノだって俺を心配してるからこそ「待ってるからな」と気持ちが落ち着くのを優先してくれた。
こんな風に俺だけがいつまでも根に持って、空気を悪くしたってしょうがない。
もう覚悟を決めよう。
いじけてないで、一緒に笑顔で仕事するんだ。
俺は携帯を開きなおして、送信ボタンを押した。
悩みの大半が電波にのって飛んでいったらしく、少し肩の上が軽い。
後は目の前の仕事を頑張るだけだ。
さっきまでは無視してやろうと思っていたみんなのチャチャも、今なら受け入れられそうだ。
「ジュンスースタジオ行こっか」
「は?帰りますよーぅ」
笑顔で振り返るとジュンスの額に汗はなく、上半身は既に私服だった。
その奥でジェジュンとチャンミンも、いい汗を拭いたタオルを首から提げて着替えている。
「…え、帰んの?」
「今日仕事これで最後だからあ、早く帰ってみんなでゲームしますよーうっはは!」
「まじか、俺は」
「ユチョン待ってたら寝るの遅くなります」
「ユノお〜、早く着替えて!」
チャンミンの冷たい返事にかぶせてジェジュンが声をかけた先を見る。
下を履き替えようとパンイチになっているユノと目が合った。
頼もしい声が俺に向かってくる。
「…ユチョン、待ってるだからな。(家で)」
「…………うん…」
悩みの大半と共に俺の重大な決意を連れて行った携帯を握り締め、俺は涙をこらえた。
頼むから早く、恵まれない朴有天に愛の手を。