寂しそうに太陽が沈んでも
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
最後のキスを落とす場所を探しあぐねている内に
外は白んで、冷たい空気が忍び込んで
今日もまた
朝に追いつかれて始まった
さよならが言えない日。
・・・・・・・・・・・・・・・
寂しそうに太陽が沈んでも
・・・・・・・・・・・・・・・
生え際まで健康な色の髪が、カーテンからの光に輝く。
親指をできるだけ平らにして撫で付けると、触れた産毛が心地よく肌を押し返した。
しっかりとした眉、目尻は上を向いているのに、優しそうに膨らんだ瞼。
眉間から伸びる鼻はすうっと直線で抜けて、上唇よりも丸い下の唇がだらしなく開いている。
小さく息を繰り返すそこに
本当は今すぐ触りたい。
はつらつとした彼の体の全ての表面を、この手で触れつくしてしまいたい。
「………っ」
規則正しい息が揺れた。
耳の上から落ちた私の髪が触れてしまわないよう、両手で掴んで飛びのいた。
「…〜〜…なまえ〜…?」
私の名前。
呼ばれると心臓のまわりが自動で狭くなる。
たった数分の一秒なのにその苦しみはいつも深く味わってしまう。
「おはよう、ユノ」
「おはよう…ああ、…ああ〜…ごめん、ごめんな」
朝の空気を震わせないように返事をしたのに
ユノは這い蹲るように肩肘で体を起こして、そのまま大きな体をこちらへグタリともたげてきた。
膝の上の頭は、つむじから後頭部までも綺麗な形だ。
撫でないでいるという抵抗はできなかった。
1/3ページ