My little princess
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家族想いの君をみんな好きでいる
そんな言葉を、かけることはもうできなかった。
「おばあちゃんが両親を勘当しなければ、おばあちゃんが手紙を読まなければ、おばあちゃんが会うことを許さなければ…」
「……………」
「そんなこと、考える自分が怖かった。お父さんもお母さんも喜んでるのに」
「………なまえ」
「夢にしがみつく自分が怖かった。でもそんな私にも、おばあちゃんは笑いかけてくれました」
「……………」
「おかえり、って…手を、とってくれた」
「…………」
「初めて、気持ちが落ち着きました。不安定で乱れてた心が、やっと止まれた気がした」
もう一度口にした名前は風にのってどこかへ行ってしまったようだった。
目の前に居るのに彼女をつかめない。
彼女の葛藤を、僕ではそんな風に癒せない。
僕が思うよりもっと、ずっと辛い決断を、苦しみの中していたことに
今の今まで僕は気づかずに
僕はなんて 独りよがりに
「…おばあちゃんが、言ったんです。人は誤ることがあるって。でも、恥じないでいいって」
「………」
「いつか分かりあえるし、何度でもやり直せるって、言ったんです」
「………」
「私、いつかユチョンオッパとも分かり合えるんです。だから、ユチョンオッパを責めないでください」
「………なまえ」
「チャンミンオッパ。ユチョンオッパと仲直りしてくださいね?」
「………うん、ごめん…ごめん、なまえ…」
「二人が仲が悪いままじゃ、私安心して行けないです」
「ごめん、なまえ…」
彼女が僕の手をとった。
吹きすさぶ風に冷えた二つの手なのに、この上なく温かい。
彼女の祖母の手というのも、こんなに温かいんだろうか。
そしてこんなに、心に染み入るのだろうか。
いつか分かり合える。
何度でもやり直せる。
その言葉は、なまえだけでなく、僕の心にも根を張った。