My little princess
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その日は合同宿舎に帰ってもユチョニヒョンに会うことはできなかった。
外泊許可を得ているということは分かったが…
早くしないとなまえがここを去る日が刻一刻と近づいている。
勢いはあれど、年下の僕が説得することに多少なり気がひける思いもあるのに…
たった数時間の一晩が明けた朝には、僕の気は余計に急いていた。
「おお、チャンミンおはよう。どうした、誰か探してるのか?」
「あ、おはようございますユノヒョン。今日はユチョニヒョン直接レッスンに行くんですか?」
「いや一旦帰ってくるって聞いてるけどなあ…」
「じゃあユチョニヒョンの部屋に」
「あ、おはよー二人とも。何?何バタバタしてんのチャンミン?」
「ジェジュンヒョン、ユチョニヒョンは」
「まだ帰ってないと思うけど…」
「もうこの時間だし、直接行くのかもなー」
合同宿舎のロビーで次々会う兄達はとてものんびりとしていた。
時計の進みはあんなに早いのに、この人達は半分くらいの速度で生きてるのじゃないだろうか。
僕の急く思いに全くそぐわない会話の遅さがやけに気に障る。
「あ、ユッチョン帰ってきた」
「あー…おはよー…」
振り返ると、もっとのんびりとした所作で ユチョニヒョンがロビーの自動ドアをくぐっていた。
「おはよーじゃないよ、ユチョン?もう出ないとレッスン間に合わないだろ」
「うん、着替えたらすぐ行く」
「ユチョニヒョン、話があるんですけど」
「おいチャンミン、後にしろ」
「急ぐんです!」
ユノヒョンが高圧的にものを言うので苛立ちが募った。
僕が急に大声を出したのでジェジュンヒョンもジュンスヒョンも振り返る。
どうしてこの人達は分からないんだ。
すぐにでも説得を始めなければ間に合わないかもしれないのに。
僕らの可愛い少女を、落ち込ませたまま日本に送って構わないっていうんだろうか。
「…なまえの話だったら聞かないよ」
「おい、ユチョンも。やめろ」
冷たい視線で僕を一瞥して歩き出そうとするユチョニヒョンを、腕を掴んで止まらせた。
続々このロビーを通る練習生が僕らを見ては通り過ぎていく。
「どうしてですか?彼女はもう行ってしまうのに…だいたいなぜあなたが怒るんですか?」
「お前はなんで怒ってるんだよ?チャンミン?」
「ユッチョオン…チャンミンも、やめろよお…他の子もぼくらのこと見てるよ…」
「おいジェジュン。ジュンス連れて先行ってくれないか。僕はこの二人連れて行くから」
「…だって。ジュンス、行くよ」
「……でもお…」
ユノヒョンがまた高圧的なもの言いでジェジュンヒョンを従わせた。
ジュンスヒョンがジェジュンヒョンに手を引かれて後ろ髪を引かれるように歩き出す。