My little princess
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「ずっと会ってくれなかったおばあちゃんが…」
「おばあちゃん?」
「日本に住んでるんです。両親の結婚に…反対していたって聞いてます」
「…日本…」
「お父さんが仕事で韓国に来る時、ほとんど駆け落ちみたいにして来たって…それで…」
「そのおばあちゃんに会いにいくの?」
「もう行きました。ずっと、両親が手紙を送ってて…やっと、返事が来て」
「…………」
「会いに行ったら…泣きながら、もう許してるって、みんなで帰っておいでって、言ってくれたんです」
そんな風に言われたら、僕らは口をつぐむしかない。
「……ごめんなさい…」
なまえの申し訳なさそうな顔を見ればなおさらだ。
彼女がどんなに歌もダンスも好きか、どれだけ努力してきたか、僕らはよく知っている。
ユノヒョンは彼女が教えてと言えば泣くまで厳しくダンスを教えたし
ジュンスヒョンの歌を彼女が盗み聞いていたことも、実はジュンスヒョンにすら周知された事実だ。
ジェジュンヒョンは逆に彼女の歌を盗み聞いては照れ隠しにクセをからかい
ユチョニヒョンはそのクセを魅力だと褒め、伸ばし
…僕は、彼女に負けまいと共に切磋琢磨した。
その彼女が、この場所を去り、家族で暮らす為に日本へ行く。
みんなが寂しさを感じながらも、いつか来るかもしれないと思っていた、見送るべき時を覚悟し始めた。
5人の顔を見回したユノヒョンが代表して口を開く。
「…なまえ…会えなくなるわけじゃないんだろう?」
「ぼくたち、きっと日本も行くし!ね!ジェジュンヒョン!」
「そう…でもやだ!日本でしか会えないなんて!」
「ジェジュンヒョン、なまえを困らせないでください」
「…ありがとうみんな…活動、頑張ってください。私、日本で応援して」
「やだよ」
思い思いに前向きな言葉をかける中、ユチョニヒョンだけが冷たい声を放った。
5人一斉にユチョニヒョンを振り返る。
「おれは、やだ」
「ユチョン…」
「それは、みんな一緒だろう?どうしたユチョ…」
「……なまえの夢が可哀想だ」
穏やかでない様子に、なだめようと伸べたユノヒョンの手は丁重に退けられた。
僕よりたった1つ2つ上なだけの年の男がこんなに怖い顔をできるものだろうか。
ユチョニヒョンの顔は冷たく、感情が無いかのようで…
いつもの柔らかな笑顔を見慣れた僕ら5人はそこから何も言えなくなる。
そして、僕らは揃って見捨てられたような間抜け面でユチョニヒョンの背中を見送った。
「…ユチョンオッパ…」
なまえの呟きは僕ら4人の心をぎゅうと縮める。
助けてあげたい、そんな気にさせるのに充分だった。