My little princess
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家族と離れ夢を追う強さも
家族のために夢を諦める強さも
僕にはまだまだ遠い世界の出来事で、まだまだ経験できていないことだ。
…僕ではまだ
目覚めたばかりの恋を諦めるのに、耐えるくらいの事が精一杯だ。
やがて笑っていた皆が僕を注視しはじめる。
ああ、僕は弱い。
恋も
歌も
何も
手に入れることができない。
なまえが大事な宝物であることに変わりはないのに
…ユチョニヒョンや、ヒョンたちのように…元気に、笑顔で、見送ってあげることすら…
「チャンミンオッパ!」
まるで昨日と同じ、いつものように、なまえが僕を呼ぶ。
「……ん?なに?」
精一杯、なんてことのない笑顔で首を傾げて応えた。
「私、日本で待ってますから、必ず歌いに来てください!」
可愛い、僕らの宝物。
僕らの大好きな笑顔。
恋も
歌も
何もかもここに置いて去ってゆく、大事な大事な存在。
僕は、空を噛む唇をぎゅっと噛んだ。
泣くものか。
君が望むなら、僕はどれだけ遠い空にだってはばたいていくんだ。
きっと大人になって
君に素敵な歌を聞かせてあげるから
どうか、君も泣かないで
どうか、僕を待っていて。
「…うん、元気で!」
彼女の最後の笑顔に、手を振る前。
一度だけ ポケットで握った手のひらの中。
いつか5人で歌わせて、とユチョニヒョンにお願いするつもりの歌が
愛しい名前を戴き 今はクシャクシャに丸くなって 縮こまっていた。
END
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