My little princess
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なまえが合同宿舎を去る日。
日本へ行くのはまだもう少し先で、それまでは実家で普通の学生として過ごすらしい。
歌のレッスンも無く、ダンスのレッスンも無い。
ましてやジェジュンヒョンに頼まれて夜食の準備を手伝うことも、もう無い。
宿舎のドアを抜け出すなまえを、名残惜しく5人そろって見送りに出た。
今まで何度か親しい仲間を同じように見送ったが…
今日は 泣くことも、笑うことも、相応しいとは思えなかった。
「日本に行く前に、必ず皆さんに連絡しますから」
「おお、頼むよ」
「僕らも日本に行く時は連絡するからね!」
「…なまえ〜〜…あー…」
「あは、ジェジュンオッパ!重いですから!」
「ヒョン、なまえ嫌がってます〜!」
「嫌がってねえーよ!ジュンス邪魔だよ!」
なまえの笑顔はとても明るく、愛らしい。
僕らの方が置いていかれる寂しさに震えていて、彼女の笑顔はそれを見事に励ましてくれている。
ユチョニヒョンが、ジュンスヒョンとジェジュンヒョンに絡みつかれたなまえの前に立った。
既に僕らには「こないだは空気を悪くしてごめん」と謝ったユチョニヒョンだったが、ジュンスヒョンとジェジュンヒョンは警戒しているのか、なまえが罵られるのではと抱く力を強めている。
「なまえ?…なまえのさ、…夢って、なに?」
「……」
「なんだよユチョン、またそんな」
「謝ったんじゃないのかヨー!」
「ね、なまえ、…なに?」
僕とユノヒョンはユチョニヒョンの背中ごしにしかなまえの表情が窺えない。
ユチョニヒョンを見上げる瞳が、少し揺れているように見えた。
「……家族と…暮らすことです。おばあちゃんも、お母さんもお父さんも、みんなで」
「………そっか」
「……はい」
「…そっかあ…俺と一緒だあ。やっぱり」
「……はいっ」
ユチョニヒョンの声が柔らかく笑んだ。
揺れていたなまえの瞳がしなり、笑顔になる。
「…なまえ…あーん行かないでー!お兄ちゃんとも暮らそうよー!」
「あ゛ーージェジュンヒョンずるいです!ぼっくもー!」
「あ、じゃあぼくもー!!」
「なんだよユノ!今!?今愛嬌!?ずるい!!」
「ははっ俺もー」
ユチョニヒョンが屈託なく笑って、3人分の体で埋め尽くされかけているなまえに抱きついた。
ユノヒョンが駆けて行く前に呟いた言葉が、動けない僕の耳でこだまする。
『なまえもユチョンも、強いな』
僕は頷くことができなかった。